原作の人気キャラクターを演じるということ

――「ミス・パイロット」「弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」「水球ヤンキース」「学校のカイダン」など、人気ドラマに出演されたことでの心境の変化はありますか?

 ドラマに関しても、僕の感受性に迫ってくる作品が好きだったわけですが、それはあくまでも僕の好みであって、ドラマの現場でスタッフのみなさんや共演者のみなさんと作っていく作業を何度も繰り返していくうちに、食卓の会話のきっかけになったり、次回の展開が気になって1週間を過ごすといった、日常に寄り添ったドラマの素晴らしさにも徐々に気づかされていきました。

――13年から舞台「銀河英雄伝説」で演じられたラインハルト少佐役が印象的でしたが、この役に対する想いを教えてください。

 ひとつの役を、半年に一度のペースでやらせていただいたのですが、ある意味ライフワークといえるまで、あそこまで長く関わった作品はなかったですし、自分の作品や役に対するアプローチも変えることで、役との親密度が濃くなっていく体験ができたし、僕自身の変化を知ることのできた作品だと思います。僕は幼い頃からヒーローものに対する憧れみたいなものはなかったというか、観たこともなかったので、ラインハルトという人気キャラを演じることで、初めてキャラって何だろう? と思うようになったんです。キャラという入れ物の中に自分が入って満たすような感覚ですが、その中身がないとキャラに対しても、お客さんに対しても失礼だと。それで仕草など、キャラ性を保ちつつ、人間として昇華していく作業を意識しました。

――出演最新作『ライチ☆光クラブ』で演じられたジャイボも、かなりの人気キャラですが、やはり役作りについては同様の考えだったのでしょうか?

 そうですね。でも、まずはジャイボのファンの方から叩かれることを恐れてはいけない、むしろ、叩かれてもいいという気持ちでやりたいと。今度ももちろんキャラとしてではなく、人間としてジャイボを演じるつもりだったので、僕じゃなくてもできるものにはしたくないと思いました。とても常人っぽくない印象を持たれると思いますが、それはリーダーのゼラに対する過度な愛情からであって、スゴく純粋な男のコなんです。単にゼラが好きなだけ。その想いを大事にしたかったので、その濃度みたいなものを高めることをいちばん意識しました。そして、「きゃはっ」という独特な笑い方をどうするか。結果、ほかのセリフと同じというか、引き笑いや相槌のような感覚で「きゃはっ」を捉えました。

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2016.02.05(金)
文=くれい響
撮影=深野未季