“比べたい欲”を満たすから盛り上がる!

 ところで、人って、何かを食べる時、自分の知っている味と脳内で必ず比べてますよね。知っている味が、基準になる。で、その基準をもとに何かひとことコメントしたくなる。お互いコメントを言い合うのが楽しい。

重さがあるので、ふたをあけるときのワクワク感も大きいです。

 ラーメンでも、チーズケーキでも、どこのがおいしいという話題で盛り上がりますが、食べ比べしやすい食べ物ほど、盛り上がると思うんです。あまりにも珍しいものとか贅沢すぎる食べ物だと、自分の中に味の基準がないから、盛り上がらないというわけです。

 そういう意味で、シュトーレンはそろそろ、というか、まさに最近、“食べ比べて何かひとことコメントしたい食べ物”になってきたタイミング。おうち飲み会などの手みやげにもっていくと、「〇〇のシュト-レンは超甘い」とか、「△△のシュトーレンは軽くていっぱい食べられる感じ」とか、シュトーレン談義、盛り上がりそうです。

 そして、「今年はレカンのシュトーレンを食べたのよ」と、その人はよそで言うことができますよね。そんな、ささやかな“おまけ”も手みやげの役割かな思います。

ブーランジェリーレカン
所在地 東京都中央区銀座5-11-1 1F
電話番号 03-5565-0780

肱岡香子(ひじおか きょうこ
フードスタイリスト。雑誌、書籍、テレビ番組などで活躍。『東京手みやげ美人』(講談社)では、大好きなお菓子をシチュエーションや相手に応じて“手みやげリスト”として紹介。

Column

肱岡香子のSweetsな手みやげ

フードスタイリストでお菓子大好きな著者の、豊富な“手みやげ”経験を元に、季節に応じた見目麗しいお菓子の数々をご紹介します。

2015.12.24(木)