世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第117回は、小野アムスデン道子さんがメルボルンとその近郊で堪能した競馬と美食の旅についてリポートします!

今年で155回目を迎えるメルボルンカップ

11月のメルボルンは、まさに春爛漫の花盛り。お洒落な人が早くからレースを見に来て、フレミントン競馬場はバラと人に埋めつくされる。

 オーストラリア、ビクトリア州の州都であるメルボルンで毎年11月の第1火曜日に開催されるメルボルンカップは、2015年に155回目を迎えたという伝統の競馬レース。

堂々としたフリンダースストリート駅の建物は、メルボルンのアイコンともいえる存在。

 オーストラリアでは、開催日は国が停止するというほどの注目度で、ビクトリア州ではこの日は祝日。そして、ただならぬ気合いの入ったお洒落をした観客が集まることでも有名だ。実は、私は昔、乗馬をしていたこともあって、馬が走るのを見るのが大好き。お洒落な競馬レースとしてかねてから憧れのレースを観戦することになった。

 メルボルンカップの前日にメルボルンに入って、当日の女性のお洒落のポイントである帽子職人を訪ねることに。

 その前に1854年にできたオーストラリア最古の駅であるフリンダースストリート駅のあるダウンタウンへ向かい、メルボルンの中心を流れるヤラ川を望むモダン・オーストラリア料理の店「タクシー・キッチン」でランチを取る。

左:明るく、洒落た「タクシー・キッチン」の店内。バーにある“Fuel Station”(給油所)という表示がご愛嬌。
右: オーストラリアとタスマニア島との間のバス海峡で採れたホタテ貝をグリルして、スモークチリとマヨネーズで味付けした前菜。レッドオニオンと揚げ細麺のようなカタイフィの歯触りがいい。もう1品は、地元で採れた海老をユズ風味と刻み海苔で。

 ここは、CBD(セントラル・ビジネス・ディストリクト)という中心街にある店。地元の食材を生かしたフュージョンだが、アジアン・テイストがほどよく、風味や食感を生かしたセンスが感じられる料理を出す。

Taxi Kitchen(タクシー・キッチン)
所在地 Level1 Transport Hotel,  Federation Square, Cnr. Swanston & Flinders St, Melbourne VIC 3000
電話番号 +61-3-9654-8808
URL http://www.taxikitchen.com.au/

2015.12.22(火)
文・撮影=小野アムスデン道子