風車を回して幸運を引き寄せる、ありがたい寺院で初詣
街中に赤や金色のランタンが飾られ、いつにも増して華やかな香港の旧正月。元日は営業していないショップやレストランも多く、ブランドショッピングなどには不便を感じるかもしれないが、この時期しか体験できないものがある。
そのひとつが、初詣。日本と同じく、香港の人も一年の幸福を願って寺院にお参りをする。そのスタイルは日本とちょっと違っていて、一緒にお参りしてみるのも面白い。
香港で有名なお寺といえば、占いで有名な「黄大仙」や、巨大な大仏様で知られる「宝蓮寺」。そして、幸運をもたらすとされ、人々に慕われている「車公廟(チェーコンミウ)」。宋の時代の将軍だった車公を祀る、300年以上の歴史を誇る寺院だ。旧正月2日は、ちょうど車公の誕生日。この日は、車公の生誕を祝いつつ、初詣をする人で賑やかになる。
車公廟にお参りに来た人がここで必ずすることといえば、「風車(かざぐるま)を回すこと」。この廟にある風車を回すと、運気が好転するのだとか。
風車といっても、一見すると小さな銅製の扇風機。でも、香港の人たちにとっては、とてもありがたい開運の風車だ。まずはお線香を供えて、風車を時計回りに3回転、というのが願掛けの作法。欲張って3回以上回すと、良い運気まで逃げていってしまうので要注意。さらに、すぐそばにある太鼓をドンドンと叩き、自分が来たことを神様に伝えてお参りは終了。
お寺の前には、風車をかたどったアクセサリーや、お守りを売る屋台もずらり。「萬事勝意」「合家平安」など、幸運を願った言葉が書かれたカラフルな風車はかわいらしくて、お土産にもよさそう。
右:占いコーナーもあり。誰もが真剣な面持ちで、占い師の声に耳を傾ける。
なお、車公廟がある沙田(シャーティン)というエリアには国際クラスの競馬場もあって、旧正月競馬会も開催される。お参りして幸運をゲットした後は運試し、というのもいいかもしれない。
2015.03.15(日)
文・撮影=芹澤和美