日本人の味覚に合わせたイギリスのお菓子を提供
定番の「ティールームスコーン」は、ふんわり、しっとりで、バターや卵のリッチな味わい。何もつけなくてもおいしい。ティータイムにミルクティーで楽しみたいスコーンです。
「パン屋さんのスコーン」は、前述のとおり、イギリスで学んだレシピを元にした、イギリスのパン屋さんのスタンダードな味と形のもの。「ママの味ならぬ”パン屋のおじさん”の味。半分にカットしてトーストし、朝食にどうぞ」と手井さんはにっこり。優しい甘さで粉の香ばしさが感じられる、飽きのこない味です。
「アイリッシュ・ブラウンスコーン」は、全粒粉と小麦胚芽を加えたコクのある風味。手井さんがアイルランドを旅した時、各地で見かけた茶色いスコーンが忘れられず、再現したのだそう。ちょっとボソボソしていますが、クセになる味わいです。
「ファームハウススコーン」は、びっくりするような大きなサイズ。イギリスの田舎のティールームで見かけるスコーンのイメージだそう。「ボソボソした食感が好きな方に」と手井さんは言いますが、ぎゅっと詰まった生地の感じが、素朴で味わい深い。このスコーンだけを買いに来る、熱烈なファンがいるのだとか。
他にも、全粒粉を加えた生地で、チーズのコクとクルミの食感が楽しめる「くるみとクリームチーズのスコーン」などもあり、スコーンだけでも色々食べ比べができます。「同じ生地に加えるものを変えて種類を色々作るのではなく、それぞれ、生地が違うスコーンを出したい。ファームハウスなど、場所やシーンをイメージして色々なスコーンを作りたいんです」。
右:「ロックケーキ」200円。
手井さんは「スコーン以外のイギリスのお菓子も紹介したい」と言い、様々なお菓子を作ってお店にさりげなく並べています。「イギリスそのままのレシピでは、日本人にはパサパサで甘いと思われるお菓子が多いので、粉の量をギリギリまで減らしたり、甘さも8割程度に抑えたり。毎日でも食べられる優しい味にするのに試作を繰り返しました」。
「ロックケーキ」は、イギリスの定番のおやつのひとつなのだそう。岩のようにゴツゴツした姿がおもしろい。チョコとアーモンドを入れて、おやつにぴったりのおいしさにしてあります。
2015.12.13(日)
文・撮影=そおだよおこ