ロビンソン・クルーソーの気分も味わえる?

 今でこそ、モルディブはあらゆる個性のリゾートが百花繚乱状態ですが、当時はあるがままのナチュラル派と施設を揃えたデラックス派に大きくは二分されました。

 ナチュラル派はヤシの葉で葺いたコテージや4室1ユニットの客室棟などで、たまにシャワーが塩水のところも。一方のデラックス派も、アピールポイントは「プール、あります」「水上コテージはじめました」くらい。

ネットやロープなどを使い、冒険心にちょっぴり火をつける、遊び心に溢れるデザインのヴィラも。

 それが「ソネバフシ」の登場で、新たなカテゴリーが誕生したのです。ナチュラル+ラグジュアリーの合体系です(この時期、バンヤンツリー モルディブ ヴァビンファルも開業し、時代の新潮流となりました)。

 リゾートに上陸時、「No News, No Shoes」と書かれた袋に靴を入れ、足の裏で白砂を感じることから、滞在はスタートします。

 古木を中心に、ウッドを多用し、鮮やかなファブリックを差し色にしたヴィラはすべて独立型。ちなみに、インテリアデザインはエヴァさんが担当しました。“クルーソー”と名の付くタイプは、ロープやネットを使い、子供時代に憧れた隠れ家のような雰囲気が味わえます(ロビンソン・クルーソー体験ですね) 。

ほとんどアウトドアなバスルーム。石塀で目隠しされているので、他人の視線はありません。

 バスルームはガラスの仕切りがなく、お風呂に入りながら、光や風が感じられる造り。ヤシの葉擦れの音や鳥のさえずりに耳を澄ませるように、テレビはあえて置いてありません。それでいて、Wi-Fiや音響、エスプレッソマシーンなどは最新のものを用意。日常で心なごむアイテムは残しつつ、自然へ還るのに足かせとなるアイテムは排除してあります。

2015.12.12(土)
文・撮影=古関千恵子