音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!
さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?
【次に流行る曲】
加藤ミリヤ「リップスティック」
ジャパニーズR&Bから生まれたミュータント
伊藤 今回の曲は加藤ミリヤの「リップスティック」。じっくり聴いてみましたけど、今までの加藤ミリヤの曲で一番好きな曲。いろんな意味で熟成された感じですね。
山口 デビューから11年なんですね。16歳でしたからね。
伊藤 はい、2004年にデビューして、リアルで等身大な歌詞とメロディセンス、“女子高生のカリスマ”として同世代から支持されるようになってから10年です。
山口 ジャパニーズR&Bという耳慣れない言葉も浸透してきていた頃に出てきた少女でした。その中でも、若い頃から歌唱力は高かったですね。
伊藤 MISIAや宇多田ヒカルが今のジャパニーズR&Bの先駆けだとしたら、加藤ミリヤはそこから生まれたミュータント的存在。R&Bに縛られることなくどんなジャンルでも自分のものにするし、加藤ミリヤという独自の世界を持ったアーティストですね。
2015.11.13(金)
文=山口哲一、伊藤涼