エンジンルームも車輪格納庫も客室に!

「ブラックボックススイート」の室内。ベッドルームがもっとも大きな客室だ。空の写真をプリントした大きなヘッドボードが、空を飛んでいる気分にさせてくれる。

 最後に他の部屋もご紹介したい。どの部屋も狭い空間を工夫してベッドを配置し、遊び心をプラスしている。

 「コックピットスイート」の次に広い客室が、バスルーム付きの「ブラックボックススイート」。その名の通りブラックボックスがあった場所に造られた客室。ベッドのヘッドボードが雲の柄になっていて、まるで空を飛んでいるような雰囲気だ。バスルームの手前に、本物のドアが残されている。シャワールームがあるのは、「コックピットスイート」とこの部屋、それともうひとつのシングルルームだけだ。

左:シャワー付きのシングルルーム。壁のカーブが造り出した空間をうまく生かしている。
右:もっとも多い客室タイプがこの2段ベッドのタイプ。上のベッドの横に、もともと機内にあった荷物の収納棚が残されている。

 もっとも数が多い客室は、2段ベッドで、トイレとシャワーが共同という客室。ドミトリーとして相部屋で使われることもある。窓の形と、機内で使われていた頭上の収納棚がそのまま残されていることが楽しい。

翼の上はテラスに、下に付いているエンジンルームは客室になっている。
左:エンジンルームに新しく造られた客室の室内。日本のカプセルホテル並みに狭いが、テレビも付いている。
右:車輪の格納庫はトイレ付きのシングルルーム。エンジンルームと同様に外から直接入る。

 上部がテラスになっている翼の下の、もともとエンジンが入っていた場所にも客室が造られた。2015年8月現在、まだ全室は完成していないけれど、中にはベッドとテレビが入っている。日本のカプセルホテルを思い出させるくらいの小さな客室で、トランジットの数時間の仮眠などに使えそう。トイレもシャワーも共同なので、一度階段を下りて外に出て、レセプションからまた入って機内のシャワールームを使うことになる。

 1室だけの個性的な客室は、車輪の格納庫に造られたシングルルーム。こちらもエンジンルームと同様、レセプションを通らずに直接外から入る。室内にはベッドとトイレのみなので、シャワーはエンジンルームの客室と同様に、一度外に出てから機内に上っていくスタイルだ。

左:共同の洗面所は、機内からドアを出た外側に造り付けられている。
右:共同のトイレ付きバスルームは3室。満室のこともあるので、フライトの予定があるときには、早めに使用したい。「コックピットスイート」以外の客室のバスルームは同じ造りだ。

 このようにユニークなホテルなので、滞在ゲスト同士もなんとなく笑顔になってしまう。「ジャンボステイ」は、訪れる人をハッピーな気持ちにさせてくれるという意味でもたくさんのサプライズをくれるホテルだった。

Jumbo Stay(ジャンボステイ)
所在地 Jumbovägen 4, SE-190 47 Stockholm Arlanda, Sweden
電話番号 +46-8-593-604-00
URL http://www.jumbostay.com/

たかせ藍沙 (たかせ あいしゃ)
トラベル&スパジャーナリスト。渡航130回超・60カ国超、海外スパ取材230軒超、ダイビング歴800本超。日々楽しい旅の提案を発信中。著書は『美食と雑貨と美肌の王国 魅惑のモロッコ』(ダイヤモンド社)、薔薇でキレイになるためのMOOK『LOVE! ROSE』(宝島社)など。楽園写真家三好和義氏と共著の『死ぬまでに絶対行きたい世界の楽園リゾート』(PHP研究所)が4刷、台湾版も好評につき、中国版出版制作中! 第2弾『地球の奇跡、大自然の宝石に逢いに… 青の楽園へ』好評につき、こちらも中国版出版決定!
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Column

トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート

大都会から秘境まで、世界中を旅してきた女性トラベルライターたちが、デジカメのメモリーの奥に眠らせたまま未公開だった小ネタをお蔵出し。地球は驚きと笑いに満ちている!

2015.08.25(火)
文・撮影=たかせ藍沙