再生医療に注目した製薬会社が作る劇的コスメ
一方、製薬会社が作るコスメでも今一番攻めの開発姿勢を見せるのが、ロート製薬のエイジングケアブランド、エピステーム。そこから今度は、エイジングケアを超える“次の形”を示すために開発されたのがひとつ上のライン、エピステーム ステムサイエンス。ロート製薬の再生医療研究を「肌の若返り」に応用したもので、今回着目したのが話題の“脂肪幹細胞”なのだ。
もちろん幹細胞ケアは今のアンチエイジングの主流となっているけれど、皮下組織に存在する脂肪幹細胞は今、再生医療において最も大きな可能性が見出されているもののひとつ。美容医療の分野ではすでに、バストを丸く、シワ部分を自然にふっくらさせる施術を可能にしていて、なおさら注目度が高い。化粧品によるアプローチでも、今までにないようなハリをもたらす、まったく新しいテクニックを可能にしてくれるのだ。なんと言っても、線維芽細胞がコラーゲンを作るのと同等以上のパワーでハリを再生するというのだから、劇的。
ともかくどちらも、“老化を防ぐ!”というネガティブ発想じゃなく、新しいハリを目覚めさせ、新しい肌を作り出すというポジティブテク。人はもう年をとらない、と言える時代が、すぐそこに来ている。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2015.08.04(火)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫