大人赤ちゃんコスメは、後ろめたくない!!
赤ちゃん肌になる……それは昔から、美容における最強の殺し文句であり、理想肌の代名詞。そして一方で、赤ちゃんは汚れのないもの弱いものの象徴であり、女は自らをいたわり守りたいばかりに、自分の肌は弱くて繊細と思い込む傾向にあり、だからベビーローションに大人の“自称”敏感肌が飛びつき、結果、出来上がったのが、大人ベビーコスメとも言うべきジャンル。
一見、ベビー用にも見えるが、じつは赤ちゃん肌に憧れる大人用。ベビー用のふりをすることで、大人を引きつけ、大人もそうとわかっていながら騙される。そこにある暗黙の了解には、赤ちゃん肌になるプラセボ効果=効くと思えば効く偽薬効果も生まれ、だからこの分野には隠れたベストセラーが多い。たとえばBBシリーズ累計125万個となった“ベビーピンク”からも、赤ちゃん肌を装うCCクリームが誕生して、高級化するCC市場で異彩を放っている。
大人のベビーものは超安価、でもいわゆる“安物”を使っている“後ろめたさ”がないのもひとつの特徴。しかも理屈抜きの清々しさがあって、浄化されそうなイメージがまたそそる。このベビーピンクのBBは1,000円を切るのだ。
2015.05.04(月)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫