新ジャンル、親子で一緒に使うコスメ
さらに注目すべきは、累計600万個も間近という驚異的なヒットとなったエテュセのリップエッセンス。すっぴん唇を赤ちゃんピンクにというアプローチと、ほんのり赤みを帯びたつるんとした唇に仕上がることで、他にない支持を得ているのだ。
そもそもこのエテュセ、“生まれたての血色”で華やかに仕上げるすっぴんメイクの宝庫。言ってみれば白人の3歳児ぐらいの、もう人形みたいに愛らしい白ピンクの紅潮した肌を見事に再現するメイクものが、本当にうまいのだ。最新作のハートチークも、3色のハートがいくつも重なった愛らしいデザインながら、とても高機能。発色カラーになじませるカラー、艶感を作るカラーの3色で、幼児のような紅潮を再現する。赤ちゃん肌に憧れるなら、唇や頰まで、赤ちゃん仕上げにこだわるべきなのだ。
さらなる新しいジャンルを作りつつあるのが、親子で一緒に使うコスメ。ママも満足、赤ちゃんも安心して使える、その意外に難しい両立をクリア、だからスキンシップもより安心という新しい発想なのだ。注目のレ・メルヴェイユーズ ラデュレからも、5月にトンデモなくキュートな顔と体用のローションがデビュー予定で早くも評判となっている。赤ちゃん肌は理想肌とはいえ、水分量は意外に少ない。だから赤ちゃんのときからスキンケアを、というわけだが、どちらにせよ赤ちゃんからのスキンケアは一体どんな大人を育てるのだろうか? ちょっと末恐ろしいけれど。
齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。
Column
齋藤 薫 “風の時代”の美容学
美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。
2015.05.04(月)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫