結局は、揺るがぬ正解ゆえに何度もトレンドになり続ける

左:メラニンを含んだ古い角質を取り除き、透明感あふれる肌に。HAKU アクティブメラノリリーサー(医薬部外品) 120mL 4,500円(編集部調べ)/資生堂
中:AHAフリーながらこだわりの植物由来成分、独自処方「ムチンネット」の働きで古い角質を優しくオフ。AQ MW クリスタル リキッド 150mL 8,000円/コスメデコルテ
右:肌の生まれ変わりを整え、再生力を呼び起こす、角質ケアのパイオニア的美容液。ターンアラウンド セラム 30mL 4,800円/クリニーク

 角質除去がともかくいちばん脚光を浴びたのは、80年代に一大ブームとなったAHAによる角質ケア。多くのブランドが、化粧品によるケミカルピーリングとして、フルーツ酸や乳酸、グリコール酸といった酸によって、角質細胞の結合を緩め、不要になった角質の剝離を促すというAHA配合の化粧品を発表。これまでのスキンケアの定義がすっかり塗りかわるのではないかというほどのインパクトを放ち、“魔法のスキンケア”という評価をほしいままにした。何しろ、AHAによる角質ケアはみるみる間に肌がすべすべに明るく透明になるという、かつてないほどの即効性を持ったから。ところがその後は一転、この角質ケアが大バッシングにあってしまう。

 言うまでもなく、古い角質除去は両刃の剣。目覚ましい美肌効果がある反面、肌をすり減らすようなリスクもあるわけで、当然肌に合わない人もいた。AHA大ブームの裏では、“細胞が未成熟のまま肌表面に出てきてしまった”的なトラブルや“いきなりひどい肌荒れに悩まされている”という声が聞かれたりして、AHA反対論があちこちで語られ始めるのだ。中には角質ケア自体に反対するメーカーもあったほど。

2015.06.02(火)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫

CREA 2015年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

夜ふかしのすすめ

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