音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】
GLIM SPANKY「リアル鬼ごっこ」

園子温監督による同名映画のイメージソング

伊藤 今回は7月11日に公開される映画『リアル鬼ごっこ』のイメージソング。『リアル鬼ごっこ』は園子温によるオリジナル脚本で新たに映画になるんですけど、このためにGLIM SPANKYが書き下ろした楽曲、そのタイトルも「リアル鬼ごっこ」です。

山口  気になっています。園子温監督も好きですし。

伊藤 最初は「リアル鬼ごっこ」っていうタイトルに面白さを感じたんですけど、タイアップである映画と同タイトルだと知って、新人アーティストとタイアップのパワーバランスなのか? それともアーティストが面白がっているのか? ちょっと興味がわきましたね。

山口 タイアップに対して日和っているような印象はなかったです。自分たちのカラーがしっかり打ち出せている楽曲に感じました。

伊藤 う~ん、でもこの作品にこのタイトルである必然性はなかったように思うなぁ……。GLIM SPANKYの1stシングル「褒めろよ」はiTunes J-POPチャート4位を記録し、FUJI ROCKにも出演が決定している男女2人組のロックユニットです。山口さんはこのユニット、知っていましたか?

山口 最近、僕の周りでも話題になっていました。ルーツ・ミュージックを感じさせるグループですよね。

伊藤 はい、ヴォーカル・ギターの松尾レミは“ジャニス・ジョプリンの再来”って言われて話題になっているし、昨年から化粧品や車など7つのCMの歌唱を担当しています。でもユニットとしてではなく、ソロでCM音楽ってどういうことなんでしょうね? ヴォーカリストとしての裏方的な仕事とアーティストとしての活動を両立しているということなんでしょうか。アーティストとしてのブランディングの難しさもある中で、とてもチャレンジングな活動の仕方ですね。

山口 実は僕は、高校時代にハマって、2カ月ぐらいジャニス・ジョプリンしか聴かないことがありました。アルバムが3枚しか出てなかったので、それを繰り返し聴くだけなのですが、飽きませんでした。今でも聴きます。なので、そんなキャッチコピーを使われると気になりますね。

伊藤 山口さんがジャニス・ジョプリン……ちょっとイガイかも(笑)。それでGLIM SPANKYのことはどのように見ていますか?

<次のページ> 宇多田ヒカルを手がけたエースが宣伝を担当

2015.06.30(火)
文=山口哲一、伊藤涼