今月のテーマ「告白」

【MAN】
「告白」の瞬間だけを延々と!(その後の経過報告もあります)

 大人になると告白なんてしなくなる。なんとなくイケそうな気がして、なんとなくうまくいったから、付き合うっていうことになる。相手のことが好きだ→相手が自分のことを好きか分からない→イチかバチかの賭けに出て言葉を投げつける!! そんな“本物”の告白ができたのはいつまでだった? たぶん、高校生くらいまで。

 個人のウェブサイトで連載され、この春から週刊少年マガジンに移籍連載(!)した『徒然チルドレン』は、高校生の男子と女子が告白する姿を、カップルを替えながら延々と描き続ける試みだ。そこで爆発しているのは、ときめき、もどかしさ、恥ずかしさ。でも実は、なんだか笑っちゃうバカバカしさも顔を出す。なにしろ突然、青天の霹靂のように「好き」と言われるんだから、受け手は「どういう意味?」となって当然なのだ。そこから誤解が生まれ、勘違いが積み重なって、ギャグになる。“本物”の告白って、意外とギャグ。

『徒然チルドレン』(既刊1~2巻) 若林稔弥

実はおぼこいヤンキーの梶さんと、ドSな生徒会長。超鈍感な桐原先生と、彼に恋した千葉さん。本気かギャグか分からない「好き」を連呼する学級委員の皆川さんと、彼女に振り回される古屋君……。制服姿の高校生男女が、告白し(され)まくるショートストーリーズ。
講談社 各429円
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

2015.07.06(月)
文=吉田大助

CREA 2015年7月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

いつ行ってもいいね、ハワイ

CREA 2015年7月号

遊んで食べて、リラックス
いつ行ってもいいね、ハワイ

定価780円