CHANEL
「COCO CRUSH」コレクション
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ジュエリーというと、ダイヤモンドなどの石が入っているものに目がいきがちですが、私が最近、地金の魅力を再発見したのがシャネルの新作「COCO CRUSH(ココ クラッシュ)」コレクションです。ゴールドにメゾンのシンボルでもあるキルティング模様を施したバングルとリングは、どこか潔さを感じるデザイン。いまどきの華奢ジュエリーとは一線を画す、大胆で量感のあるフォルムもとても新鮮に感じました。
今回は、ココ シャネルも愛したと言われるフランスの避暑地ドーヴィルにいる、大人の女性をイメージしました。ボーダーとデニムに素足という、10代の女の子でもするようなナチュラルなスタイルですが、バングルとリングをつけるだけで、ぐっと洗練され、大人のフレンチシックなカジュアルに。ゴールドの放つ艶は、ダイヤモンドにはない、ゴージャスだけれどフレッシュな迫力をプラスしてくれます。今回はカジュアルですがソワレにしても最高に素敵だと思います。身につけるとたちまち装いを変えるほどのパワーを放つ、シャネルのジュエリーの実力を改めて感じました。
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シャネルを代表するバッグの如く、地金にマトラッセ(キルティング)模様が施されているのが特徴。新作「ココ クラッシュ」は、地金のバングルとリングを展開。丸みを帯びたモダンなフォルムと存在感のあるボリュームで、シーンを問わず活躍。
伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。
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Column
伊藤美佐季のジュエリーのある人生
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2015.05.24(日)
photographs=Masashi Ikuta(makiura office)
styling=Misaki Ito
hair=ABE(M0)
make-up=FUSAKO(ota office)
model=Franciska
text=Miwako Yuzawa
CREA 2015年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。