DE BEERS
ダイヤモンドリングのレイヤード
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最近、華奢なリングをレイヤードするのが流行っていますね。私自身も違うブランド、かつ買った時期もバラバラのリングを数本重ねづけしています。気分によってリングの順番や組み合わせ、つける指を変え、新鮮な気持ちを味わっています。
ダイヤモンドで有名な「デビアス」には、たくさんの華奢なリングが揃っています。ダイヤモンドが輝くタイムレスなデザインのリングは、それぞれが完璧な美しさ。しかしそれゆえに、一本でつけると大人っぽくなりすぎてしまうときがあります。だから、カジュアルに見せたいときには、数本をあえて気ままに重ね、地金の色や高さ、隙間などを不揃いにすることで、今の気分にフィットする抜け感を出しています。
リングのレイヤードは、実は一朝一夕にはできないもの。時間をかけて買い足していくからこそできるコーディネートには、他人には絶対に真似できない個性が宿ります。「好き」と思えるものを重ねてできる自分だけのリング――レイヤードの醍醐味は、自分の選んできた宝物をめで、新たな表情を発見する楽しみにあるのです。
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いつも同じ「完成形」を決めるのではなく、今の自分にしかできない気ままな組み合わせを楽しんで。
伊藤美佐季(いとうみさき)
ジュエリーディレクター。30代でイタリアに遊学、帰国後スタイリストに。ジュエリーや洋服のスタイリングのほか、ジュエリーに関する講演なども行う。
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Column
伊藤美佐季のジュエリーのある人生
ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。
2015.06.17(水)
photographs=Masashi Ikuta(makiura office)
styling=Misaki Ito
hair=ABE(M0)
make-up=FUSAKO(ota office)
model=Franciska
text=Miwako Yuzawa
CREA 2015年7月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。