主役のステーキはあっぱれナイスグリル!

 ステーキの前にはシーザーサラダが登場。これは独創的で、佐野さんの素晴らしいベーコンがドーンとのった肉肉しい逸品。男らしくシンプルに、しっかりとドレッシングを纏ったレタスとトマト。「よーし! お肉を食べるぞ!」というスターターとして存在感を示してくれる。ザクザク食べるサラダ、大好物だ。

シーザーサラダは男らしく! さの萬さんの豚肉は素晴らしく美味。

 肉は2名だったので2種類を選べたが、それぞれ2つに切ってくれたので食べ比べ♪ 一見こんがり焼けているのでわからないが、切ってみるとそれぞれ赤みの色が違って面白い。深い焼き色とのコントラストが美しくて、どちらのお肉もむっちり、パツパツに焼き上がっていて、“肉欲”を誘うのである。

アメリカ製グリルで焼き上げられた2種。色が深い!
2種類食べ比べ。マッシュポテトを添えてもらって。

 グリルマシーンはアメリカからやってきたそうだ。ステーキの視察に一緒に出掛けていたと聞いているので、さぞかし選び抜いたものに違いない。高山さんは以前から肉焼きに秀でていたけれど(なにしろ焼肉屋さんの息子である)、いよいよ腕の振るい甲斐があるというもの。赤いけれどちゃんと芯まで火が通っている焼けた状態になっているのがポイントで、肉から「焼いた肉」に変身しているのがよくわかる。おや? となっちゃうお肉はこの辺が「あとちょっと」なのじゃないだろうか?

高山さんのプリンはいつ食べても肉後の幸せ。

 ちなみに、私も佐野さんの熟成肉を買って一生懸命焼いたことがあったが、やはり腕が足りずに及び腰になってしまい、おいしく焼くことができなかった。ここに来れば熟成では佐野さんの技を、焼きでは高山さんの技を。ふたりの名人芸がしっかりと堪能できる。熟成肉に興味があるならば、ぜひ訪れていただきたいレストランです。

CARNEYA SANOMAN'S PURVEYORS
所在地 東京都港区西麻布3-17-25 KHKビル
電話番号 03-6447-4829
[2014年12月来訪]
※2015年1月5日グランドオープン。

北條芽以(ほうじょう めい)
神奈川県鎌倉市生まれ。情報誌編集者を経てフリーライター、料理本の編纂を行う。好きなのは炭水化物(特にごはん)とお肉の組み合わせ。お酒はあまり飲めない。「左手にごはん茶碗を!」

Column

北條芽以のLOVEレストラン

美味なるLOVEなひと皿を求めてレストランに通う日々。
著者が偏愛する、この季節、このお店のLOVEはいったい何? あなたの次のレストラン選びに参考になること間違いなし!

2015.01.28(水)
文・撮影=北條芽以