LOVE:ユニークに過ごすフレンチ
目黒|レストラン ユニック

ひと皿ひと皿の香り立つ存在感

馬肉の上にはこんもりハーブ。農園の味です。香りがふわーん。

 昨年末、自宅の比較的近所にユニークなフレンチができた。なにがユニークって、店名が「レストラン ユニック」だ。フランス語である。オーナーシェフ中井雅明氏と知り合ったのは、目黒「キャス・クルート」のシェフ時代。カントリー調の内装のレストランでとんでもなく骨太な肉料理を手頃な値段で出しており、いろいろと驚かされたものだ。

「ユニック」はユニークといえども、料理はとかくクラシック。メニューを見ているとあれもこれも食べたくてうずうず、オロオロ、結局のところおまかせにして身を委ねる。特に肉料理に関してはひと月以上も前から熟成をかけ、“仕上げ”てきているもの。今日なにが美味しく熟れているかはシェフに声を掛けて尋ねたいところだ。

 この日は美味しい肉料理が食べたい夫妻と一緒にユニックへ。みんな揃っておまかせにした。前菜は馬肉のカルパッチョ。取材で幾度となく聞いた、魚のカルパッチョは日本の文化だという話を思い出す。馬の肉をしっとりと寝かせ、香りのいいところをカルパッチョに。どっさりのハーブと一緒に食べていると、なんだかフランスの田舎町で食事をとっているような気分になる(が、ここは目黒で馬は熊本からやってきている)。

ルックスは地味ながら、牡蠣エキスに満ち満ちたリゾット。

 おまかせにしつつも食べたいなぁと思っていたのが「牡蠣のリゾット」だ。深緑色なのは牡蠣さんが食べた海藻の色かしら。食べてもそんな味がして、今度は海中トリップ。なんていうか、どのお皿もそれぞれに香りがあって、味わいがあって、物語を感じさせるような美味しさがあるのが、ここのユニックポイントなのか。

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2014.02.11(火)