トルコ最古のレストランとコーヒー占い

左:広々としたテラス席もあるし、2階、3階の店内はエアコンが効いている。
右:こちらがケバブを焼く窯。撮影のために扉を開けてもらった。

 夕食は、この日お世話になったムシンさんが奥さまと一緒に、ウスパルタで人気のレストラン「ケバプチュ・カディル」を案内してくれた。1851年にオープンして、現在のオーナーが4代目。なんと、トルコで一番古いレストランなのだという。ここの名物はケバブ。ケバブと言えばトルコではポピュラーな料理だが、ここのケバブは少し違う。大きな窯の中で、塊のまま3時間30分ほど蒸し焼きにし、窯の扉を開けてさらに1時間。やわらかくてジューシーなお肉に仕上がるのだ。季節により羊だったり山羊だったりするのだとか。この日はラム。いやほんと、ふんわりしてジューシーだった!

冷めないようにと、ケバブをパンに挟んでサーブする気の遣いよう。もちろん、パンも美味しくいただける。

 そんな食事をしながら、話はコーヒー占いに。トルコの伝統的な占いで、プロの占い師も多い。すると、ムシンさんの奥さんが占えるとおっしゃる。ならばと、さっそく近くのコーヒーショップに移動して、トルココーヒーをオーダー。いつもは夕食後にはコーヒーを控えているけれど、この日は特別(笑)。飲んだ後に、言われるままにカップの上にソーサーを載せて、3度回してひっくり返した。

左:トルココーヒーは、粉状に挽いたコーヒー豆とお湯を直接火にかけて煮出す。粉ごとカップに注がれるので、上澄みだけを飲む。
右:コーヒー占いは、まず、カップの底にコーヒーの粉が残った状態でソーサーを上に被せ、願い事をしながら3度回す。そして上下逆にしてこの写真のような状態に。カップの底が冷えたらカップを開け、中に残った粉の形で鑑定する。

 先にコーヒーを飲み終わっていたムシンさんも同じようにカップを伏せたものの、奥さんに見られる前に中の粉をかき回してしまった!「秘密を知られたくない」のだとか(笑)。「奥さんの占い、そんなにすごいのかしら」と、期待が膨らむ。

左:私のコーヒーカップをていねいに鑑定してくれているムシンさんの奥さんのメリズさん。
右:この顔の男性から連絡があると。面長で左に耳、右に大きな鼻が。

 そして私のカップをていねいに眺める奥さま。「昼も夜も、よく考えているわね」というのは、私の職業が関係しているかも? プロの占い師ではないので、あいまいなことが多かったものの、「明日か3日後に、顔が長くて鼻が長い、こんな顔をした男性から連絡があるわ」と、カップの底を楊子の先で指した。そして翌日、言われたとおり、東京の男性からメールが届いた。CREA WEBのご担当からだった! お顔が似ているかどうかは知る人ぞ知るということで(笑)。

Kebapçı Kadir (ケバプチュ・カディル)
所在地 Ulu Cami Yanı ,Valilik Arkası Kebapcılar Arastası No:8
電話番号 +90-246-218-24-60
URL http://www.kebapcikadir.com.tr/

2014.07.29(火)
文・撮影=たかせ藍沙