どこか不自然さを感じ訪ねてみると……

「てか、あの日めっちゃ怖かったよなぁ~」

「……はい」

「他のメンバーと連絡取ったりしてんの?」

「別に……」

「そっか」

 Bさんの返答は素っ気ないものばかりで、昔よりどこか陰気な雰囲気さえありました。結局、お互いにラーメンを食べ終わったところで自然と別れたそうです。

 帰り道、Bさんの不自然な態度や薄汚れた赤いスニーカーのことがどうしても気になったSさんは、当時の仕事仲間の1人にBさんと会ったことをメッセージしました。

 あの日の出来事と照らし合わせるように語り合ううちに、Bさんへの不穏な妄想はどんどんと広がり、ついに後日元同僚と2人でBさんのアパートを訪ねてみることになったのだそうです。

 ピーンポーン。

 ピーンポーン。

 周囲の景色が灰色に染まり始めた冬の夕方。SさんたちはBさんのアパートで、寒さに身を縮めながら部屋の呼び鈴を押し続けていました。

「出ないな」

「さっき見たときは窓の電気が点いていたよな。風呂か?」

「そこの風呂場の小窓真っ暗だからそれはないでしょ。せっかく来たし、ちょい待ってみるか」

 結局、2人は15分ほどアパートの外廊下でBさんの帰りを待ったそうですが、一向に戻ってくる気配はありませんでした。

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