土曜の深夜に生配信サービス「TwitCasting」で放送されている怪談ネットラジオ「禍話(まがばなし)」。ハイクオリティな実話怪談は多くのリスナーの心を掴み、ドラマ化や書籍化も果たしています。

 今回はそんな禍話から、とある男性がバイト時に遭遇した出来事と、それにまつわる不可解な謎をご紹介します――。

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“赤いスニーカー”を履いているBさん

 あの出来事から1週間が経った日。

 Sさんはよく足を運んでいた大型商業施設のフードコートで、偶然にもあのとき靴を無くしてしまった元同僚のBさんと再会を果たしたのだそうです。

 ラーメンのトレーを持ったままこちらを見つめていたBさんに気がついたSさんは、食べていた手を止めて声をかけました。

「超偶然じゃん! 座れよ!」

「あ、はい」

 ふと、Bさんが薄汚れた赤いスニーカーを履いていたことに気がつきました。

『絶対あの女に取られたんですよ! 俺の赤いスニーカー!』

 あの日、逃げ帰る途中で何度もそう言ってきたBさん。

 正直、それがあの日彼が履いていたスニーカーかどうかはわかりません。ただ、やたら汚れていたことがどうしてもあの日のスニーカーなのでは、という疑念を呼び起こしました。そして、もしそうだとしたらこのスニーカーをどうやって見つけたんだろうか……そうも思いました。

次のページ どこか不自然さを感じ訪ねてみると……