アーティスト福山雅治の「振れ幅」

 この撮影とインタビューが行われる2日前、福山雅治は故郷・長崎にいた。長崎市に原爆が投下されてから80年となる2025年8月9日、市内の山王神社に現存する「被爆クスノキ」を題材にした楽曲「クスノキ―500年の風に吹かれて―」を市民5000人とともに合唱したのだ。「長崎の人間として、命の大切さや平和を伝えていくこと」が自らの使命であると福山は考えている。

 故郷から平和の祈りを発信し、映画「ブラック・ショーマン」の主演俳優、テーマソング「幻界」の作曲家として活動し、同時にデビュー35周年記念の全国ドームライブ「FUKUYAMA MASAHARU 35TH ANNIVERSARY DOME LIVE 2025 // SOUL」のステージに立っている。自らの「振れ幅」の大きさについては、どう感じているのだろうか。

「僕は 『一個人である僕』と、皆さんが認識してくださっている『福山雅治』という存在をなるべく切り離すように心がけています。そして僕はスタッフの皆さんと共に『福山雅治という存在を操舵する人』の一人なのだと。エヴァンゲリオンを中から操っているような感覚と同時に、離れた管制塔から操舵されている福山雅治を見ている、という感覚ですかね」

「ガリレオシリーズ」最新作「日常る(つづける)」が週刊文春で掲載中

福山雅治にとって「日常」とは

 福山雅治の撮り下ろしグラビアとインタビューが掲載される「週刊文春」9月11日号から、東野圭吾のガリレオ最新作「日常る(つづける)」の短期集中連載(全4回)がスタートする。

 福山雅治にとって「日常」とは――。

「努力と、努力しないことの共存です。何もしなくても明日はやってきますが、ほんの少しでも努力をしていないと、日常を維持できない。ある緊張感がないと壊れてしまうのが日常なのでは、と」

INFORMATION

ブラック・ショーマン
https://blackshowman.jp/
9月12日(金)全国公開
原作:東野圭吾『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(光文社文庫)
出演:福山雅治、有村架純
成田凌 生田絵梨花 木村昴 森永悠希 秋山寛貴(ハナコ) 犬飼貴丈 岡崎紗絵
森崎ウィン 丸山智己 濱田マリ 伊藤淳史 生瀬勝久 仲村トオル
監督:田中亮
©2025映画『ブラック・ショーマン』製作委員会

2025.09.11(木)
文=「週刊文春」編集部