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◆白木耳とブルーベリーのスムージー

 美容管理にこだわりがあったことで知られる「西太后」も好んで食べたとされる「白木耳」を使ったレシピです。白木耳は「潤い食材の代表」とも言える美肌食材で、古くから薬膳で親しまれてきました。梨やりんごと煮込み、トロトロにして食べる料理が有名ですが、独特の食感や風味が苦手な方も少なくありません。今回はブルーベリーと合わせることで、効能はそのままに、ぐっと食べやすい一品に仕上げました。

 甘さをプラスしたい方は、ハチミツや黒蜜をかけても。あっさりいただきたい場合は、レモンをひと絞りすれば味に変化が生まれ、爽やかさがアップします。

 日焼けによるほてりは、潤いを補うことでも和らぎます。皮膚に直接クリームを塗るケアも大切ですが、内側からのアプローチで、秋口の肌乾燥リスクを下げることができます。

 冷たくて飲みやすいデザート感覚の薬膳ドリンクは、日焼けで疲れた体と肌を内側から潤し、至福のリカバリータイムを演出してくれます。

●材料(4人前)

・白木耳:15g
・冷凍ブルーベリー:30g
・甘酒:50ml
・豆乳:300ml
・氷:適量

●作り方

(1)白木耳は水に入れて15分ほど置き、戻します。

(2)たっぷりの水を入れ、弱火でゆっくり煮込み、柔らかくします。

(3)白木耳が柔らかくなったら、ザルで水切りをし、ミキサーの中に入れます。

(4)甘酒、豆乳、ブルーベリー、氷を入れてミキサーにかけます。

(5)グラスに盛り付け、お好みでブルーベリーを飾り完成です。

食べることで整える、夏の薬膳パワー

 薬膳では、肌の不調や体の疲れを単に「症状」として捉えるだけでなく、その背景にある体の「バランスの乱れ」に注目します。今回のレシピは、ほてりを冷まし、潤いを補い、回復を助ける、まさに「整える薬膳」としての役割を果たしてくれるものばかりです。

 忙しくてスキンケアがおろそかになりがちな日でも、食べることで体を労わる習慣があると、心も体も自然と整ってくるものです。日焼け後のヒリヒリとした肌だけでなく、外出していつもより紫外線を浴びて疲れた身体にも効くレシピです。肌や身体だけでなく、心もじんわりとほぐれていく実感が得られるはずです。

 どのレシピも手軽に取り入れられるものばかり。夏の強い日差しに気づかないうちに疲れた肌と体を、身近な食材でやさしく癒して、本来の健やかさを取り戻していきましょう。

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さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。『薬に頼らずのびのび育てる! こども薬膳』(三笠書房)が好評発売中。

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Column

さとうあいの薬膳レシピ

季節の変わり目や、疲れなどからくる体調の変化に薬膳料理はいかがでしょう。
身近な食材を使った薬膳料理を、料理家のさとうあいさんが教えてくれます。
難しい準備は不要! 簡単でおいしいレシピの数々に体も喜ぶはず。

2025.09.07(日)
文・撮影=さとうあい