ひんやりバーアイスやバナナケーキも!

 そして、今年、新たに「つぶあんバー」が発売されました。最中に使う極上の小豆に希少な寒天、塩、砂糖を使った濃厚な氷菓で、こし餡と粒餡の両方がたっぷり。「アイスバーというより『冷やしあんこ』です」と山本さんが言うとおり、アイスというより、おしるこのような、ぜんざいのような、まったりした小豆のおいしさが広がります。

 もうひとつの新商品が「豆乳のアイス最中」(プレーン300円。+ラムレーズン、+あずきは各350円)。自家製、植物性100%のアイスを最中の皮でサンドしたもの。「パリパリの皮の食感を楽しんでいただきたいので、作りたてを食べてください」」と、山本さん。

 「バナナケーキ」は、山本さんが洋菓子を作っていた時から、ずっと焼き続けている人気商品です。有機バナナ、きび糖、平飼い卵、よつ葉バター、国産小麦粉使用。バナナの甘み、風味を堪能できるもっちりケーキ。

 「不定期販売なので、お問い合わせくださいね」とにっこり。

 ここ「一吉」で使われている最中の皮は、大阪で焼かれているもの。国産もち粉100%で、蒸してから型に入れて260℃で焼成。こちらもこだわりの品なのです。

 「アイスクリームやクリームチーズ、ジャムなど、いろいろサンドしておやつに食べるだけでなく、ポテトサラダなどを入れて酒のおつまみにするのもいいですよ」。お店では、最中の皮だけも販売しています。最中と一緒に買って帰って、いろいろ工夫してみたいもの。

 大阪の町家の小さな最中屋さん。こだわりたっぷりの手作りで、シンプルでいて、ちょっと今風で、機会あるごとに訪ねてみたい、ほっこりした魅力があります。

 「一吉」が営業している建物の西側は、まだ改装されていないまま。いつか、最中だけでなく、山本さんが作る和洋のお菓子をイートインできるカフェになったら素敵だな、と思っています。

一吉(ひとよし)

所在地 大阪府大阪市中央区瓦屋町1-2-3
電話番号 06-6762-2553
営業時間 水曜12:00~17:00 木~日曜11:00~17:00
定休日 月・火曜
※予約は電話、ホームページから
https://www.hitoyoshi-monaka.jp/
Instagram @monakaya_hitoyoshi

Column

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2025.09.14(日)
文・撮影=そおだよおこ