大阪メトロ平野駅の北東方向には古い寺院や町家が点在し、あちこちに地蔵尊が祀られています。そんな風情あるエリア、大阪市平野区の古民家に、あひるの絵の白い暖簾。

 今回、ご紹介する「あひる菓子店」は、江戸時代後期に建てられた「平野郷 まちなみ保存推奨建物」のカフェ。駅から歩いて約5分で到着です。

 店内に入ると、テーブルがゆったりと配されており、庭にはワンちゃんと一緒もOKのテラス席が設けられています。

 カウンターでお菓子と飲み物をオーダーする、半セルフスタイル。ケースに並んでいる生菓子は、定番のチーズケーキの他、季節のフルーツを使ったショートケーキやタルトなど、どれもおいしそう。

 ケーキと共に運ばれてくる大きめのカップに入ったコーヒーは、西宮「ゆげ焙煎所」の豆を使用。お菓子に合うオリジナルの「あひるブレンド」、柑橘のスッキリとした香りの「エチオピア ウィシュウィシュ村 ゲラ農園」、ナッツの香りの「インドネシア マンデリン リントン」と、「デカフェ コロンビア」がセレクトされており、お菓子の風味に合わせて選べます。

 紅茶は、大阪市東住吉区の「アムシュティーハウス」の茶葉で、ストレートティー(茶葉の種類は季節で変更)とミルクティーに、夏はもう1種類(レモン系フレーバーティー)をプラスする予定だそう。

 取材時にオーダーしたのは「マンゴーのタルト」と「エチオピア」豆のコーヒー。マンゴーのフルーティーで芳醇な味わいのザクザク食感のタルトに苦みの少ないコーヒーを合わせると、スッキリ、さわやか。初夏にぴったりです。

 定番の「チーズケーキ」は、バスクタイプ。バニラが香る、優しい甘さです。こちらも定番の「米粉のガトーショコラ」は、エクアドル産カカオを使用。しっとり、なめらかな口当たりで、リッチな味わい。ショートケーキは、季節でフルーツが変わります。取材時は「春かんきつとアールグレイのショートケーキ」。アールグレイ紅茶の茶葉が入った生地が香り、柑橘類のさわやかさを引き立てます。

 どれも上質な素材を使い、それぞれの持ち味を生かして仕上げたシンプルな味わい。上品な甘さで後口のキレが良く、1個食べ終わって、もう1個、別のケーキが食べたくなります。遠くからでも食べに来たいと思わせる生ケーキです。

2025.06.08(日)
文・撮影=そおだよおこ