親父のやってないことをやるべきだな、と
「ねずみ男」のオファーが来た時は驚いたという。
大塚 てっきり声の話だと思ったら、「舞台で」というので驚きました。え? と思ったら、しかも「明治座です」って言うじゃないですか。僕は生涯で、あの(舞台の)板を踏めることはないだろうと思っていましたから……。
そして、これは親父のやってないことをやるべきだなと思って、それで喜んでお受けしました。親父はあの世で「馬鹿野郎、俺にやらせろ」って思ってるかもしれないですけど、「死んじゃったんだからしょうがねえだろ」って言いながら、やってみようと思います。
僕が芝居を始めた頃は、明治座には歌舞伎の方とか、由緒正しいものしか乗れない格式の高い劇場だっていうイメージがありました。本番が始まったら、明治座の前にずらりと並ぶ出演者の幟の中に、「大塚明夫」ってはためくのかなって……。もう、冥途の土産にしたいと思ってます。

ゲゲゲの鬼太郎役の荒牧慶彦をはじめ、浅野ゆう子、上坂すみれといった多彩なキャストとの共演にも期待を寄せている。
大塚 真夏の公演ですから、酷暑に体調を崩さないようにすることが、まず必至ですね。そのプレッシャーはあります。本番はもちろん緊張します。でも、弛緩してるとかえってダメなんですよ。緊張を集中に変えていければオッケーかなと思っています。ぜひお出かけください。
舞台『ゲゲゲの鬼太郎2025』
【東京公演】8月2日(土)~16日(土)
明治座(中央区日本橋浜町2-31-1)
チケット発売中:明治座オンラインチケット/明治座チケットセンター(03-3666-6666)/明治座切符売り場/イープラス、チケットぴあ、ローソンチケットでも発売中
【大阪公演】8月21日(木)~25日(月)
新歌舞伎座(天王寺区上本町6-5-13)
チケット発売中:新歌舞伎座ネットチケット/新歌舞伎座テレホン予約センター(06-7730-2222)/イープラス、チケットぴあ、ローソンチケットでも発売中

2025.08.15(金)
文=週刊文春CINEMAオンライン編集部