台湾食材を用いたニューフェイスの台湾菓子
近年、台湾では地場産品や地元産食材を用いた個性的なお菓子が増えています。
たとえば、ここ数年、流行しているミルクヌガーをクラッカーで挟んだ「牛軋餅」。これ自体も日本人の目から見ると斬新ですが、自然派食品ブランド「土生土長」では台湾茶味のヌガーを用いたものを開発。スイーツ好きの人たちの間で話題となっています。

また、伝統的な郷土菓子をアレンジしたものもあります。洗練されたカフェ「TWATUTIA COFFEE & Co.」ではオリジナルの月餅を販売。口当たりがやさしいうえに、洒落たパッケージが喜ばれるはずです。

さらに、下町・萬華にある麺料理店「一肥仔麵店」には、地元名物である台湾ハーブ「青草」を使った変わり種のパイナップルケーキもあります。すっきりとした甘さで、一度食べるとクセになるに違いありません。

同じく萬華にある洋菓子店「SW CAKE 唯星蛋糕」では、フランス生まれの厚焼きクッキー、ガレット・ブルトンヌに、カラスミや桜エビ、塩漬けのアヒルの卵、台湾原住民族のスパイスである「馬告」を加えたものがあります。甘くてしょっぱい独特な風味がやみつきになるお菓子です。

市内中心部から少し離れた北投。ここにあるベーカリー「北投普羅旺斯」には、陽明山で採れた桶柑(タンカン)を用いたミニケーキがあります。口の中に桶柑の甘酸っぱさが広がります。わざわざこれを買いに北投を訪れるファンも多いそうです。

これらのお菓子はどれも店主たちが抱く「地域を代表する土産物を作りたい」という熱い思いから生まれたもの。一口味わうごとに、その並々ならぬこだわりや意気込みが感じられるはずです。ぜひトライしてみてください。
次ページからは各お菓子の詳細を紹介していきます。
2025.08.07(木)
文・撮影=片倉真理