エレガントな雰囲気の店で、台湾らしさのある洋菓子を

台北市内中心部からやや離れた場所にある閑静な住宅街。ここ天母に今年3月にオープンしたのが「Library Angte 紅茶圖圕館」。門構えが石造りの風格あるマンションの1階に位置します。

運営するのは、台中にある結婚式の引き出物などを製造販売する「順道パン。風呂敷喜餅專門店」。台北では、「台湾を代表する産物をより多くの人たちに知ってもらいたい」と新感覚の洋菓子を販売。フルーツや台湾茶を使用したパイナップルケーキやフルーツゼリーキャンディ、ラングドシャなど、台湾らしさが光るお土産物を手に入れられます。

また、台湾各地の厳選された茶葉も扱っています。爽やかな花の香りがする四季春茶や蜜のような甘い香りがする蜜香紅茶、しっかりとした焙煎具合の紅水烏龍のほか、ライチのような香りがする烏龍茶やキンモクセイ入り紅茶なども。さらにドライマンゴー入りの文山青茶といっためずらしいフルーツティーもあります。
実際に香りを嗅いで選べるので、じっくりとお気に入りを探してみましょう。ティーバッグタイプもあるので、お土産にも手頃です。

店内は、「静かで落ち着いた空間の中で、好きな本を選ぶようにお気に入りを見つけてほしい」という思いから、「図書館」をコンセプトにしています。
内装を担当したのは、レトロモダンなデザインを得意とする「本事空間製作所」。隅々までセンスがあふれ、この空間に身を置くだけでうっとりしてしまうはずです。

パッケージにもこだわりが見られ、ラングドシャは書籍をモチーフにしたボックスに入っています。実際に、写真集やデザイン本が置かれた本棚の中に飾られているのもユニークです。

さらに、窓際には図書カードを模した注文票も! 遊び心あふれる演出に、ワクワクすること間違いありません。

うれしいことに、店の奥には試食コーナーもあります。閲覧室のようなテーブル席と深紅のソファ席があり、2種類のお菓子とお茶を無料で味わえます(種類は指定できません)。10分ほど利用できるので、友人や同僚、家族へのギフトをゆっくりと考えるのもよいでしょう。


最近、台北ではこうしたスタイリッシュな菓子ブランドが増えており、ここも地元の人の間で注目の一軒となっています。市内中心部からアクセスするにはやや時間がかかりますが、わざわざ行くだけの価値はあります。
なお、店名にある「Angte(アンテー)」とは、台湾語で「紅茶」の意味。台湾らしさがさりげなく表現されているのも粋ですよね。

2025.08.07(木)
文・撮影=片倉真理