静かな住宅街に佇む、センスあふれるライフスタイルショップ
台北市の南部に位置するMRT六張犁駅。その周辺を観光客が訪れる機会はあまり多いとは言えませんが、最近は素敵なカフェやレストランが増えており、注目されつつあるエリアです。
駅から少し歩いた先の路地を曲がると、閑静な住宅街にライフスタイルショップ「清山寶珠」が現れます。
築60年という趣ある集合住宅の1階に位置し、レトロでかわいいタイルが敷き詰められた店内は、まるでギャラリーのような空間です。
店主のルビーさんは、国際的なインテリアデザイン会社でシニアデザイナーとして働いていた経歴をもちます。
ルビーさんの実家は台湾北部の茶どころ、坪林の茶農家。清らかな水と土に恵まれた山間部に位置し、自然農法で包種茶や紅茶などを栽培しています。
そのほか、親戚や友人から仕入れた台湾高山茶や紅烏龍茶なども扱っており、いずれもルビーさんが手がけたパッケージに入っています。値段が手ごろなのもうれしいところです。
また、ルビーさんの審美眼に適った台湾人陶芸家の茶器もセンス良く並べられています。
ルビーさんの茶器選びの基準は、とてもシンプル。作家の知名度にかかわらず、「普段の暮らしの中で使いやすく、そして長く使えるもの」というわかりやすいものです。渋さが光る伝統的な茶器とは一線を画した、モダンでスタイリッシュなものが多く、実用性に富んでいるのも魅力の一つです。
ちなみに私自身、コーディネーターという仕事をしていると、台湾人の現代作家の茶器を見てみたいというリクエストをよくもらいます。そんなときにおすすめするのも「清山寶珠」です。
そのほか、自ら愛用しているという服飾類やアクセサリーも販売。綿や麻素材の着心地のよい服が多く、なかにはちょっぴり斬新な台湾ブランド「川衣WEAR BEING」の商品もあります。
こちらは「服は川のように流動的である」というコンセプトで、人体の構造に合わせて流れるような形で設計されており、個性が光る作りとなっています。
さらに、ファブリックラボラトリー「nafl(ナーフル)」の靴下も。こちらは靴下ブランドの「+10・テンモア」がファブリックの研究・実験に注力するために立ち上げた新プロジェクト。芭蕉の繊維を使っていたり、葛飾北斎の作品からインスピレーションを得ていたり、個性的ながらも履きやすい靴下を手に入れられます。
店では毎月、さまざまなアーティストの展覧会が催されているので、何度訪れても飽きることはありません。
なお、手づくりの作品が多いので、在庫がなくなった場合、同じものが手に入るとは限りません。一期一会の出会いを大切に、旅の思い出になる、とっておきのお土産を手に入れましょう。










