この奇跡の絶景が生まれた理由とは?

 この奇跡のような光景に立ち合うには、ヨットやスピードボートによる1日ツアーか、ヘリコプターや水上飛行機などの遊覧飛行に参加を。

 海からアプローチする場合、ウィットサンデー島のトングベイに船を停泊させ、小型ボートで浅瀬を渡り、上陸します。まずは山道を15分ほど登り、展望台から眼下にヒル・インレットを一望。入江一面に広がる幻想的な光景を楽しみます。入江の一角の河口にも白砂の模様は入りこみ、ウィットサンデー島の内陸へ約4.6キロメートルも続いているそうです。展望台から全体像を満喫した後は、ヒル・インレットへ。歩くとキュッキュッと音がする鳴き砂のシリカサンドを踏みしめ、青と白の世界の真っ只中へ!

サンドバンク(砂州)があちこちに出現し、海流が複雑になるのか、寄せるさざ波は規則的な網目状。

 ところで、このヒル・インレットの絶景には理由があるそうです。

 なぜ、こんなにヒル・インレットの砂は白いのか? それは微細な水晶の粒のシリカサンドが光を受けて、輝いているのだそう。この砂は海岸線に沿って沖を流れる海流で運ばれたもの(推定8億トン)で、ウィットサンデー島のその他ほとんどのビーチと、砂のタイプが違うのだとか。また、地元の古くからいる船長たちによると、ホワイトへブンビーチの沖の海底からシリカサンドが湧き出ているという言い伝えも。

 一方、あの海の色、ミルキーがかった青と緑が混じったような独特の色合いはとても印象的です。地元では、シリカサンドがあまりに微粒子なので、波や風によって海中で舞い上がり、それに太陽光が反射して、あの発色をすると言われているそう。

 たとえ、そんな理由を知らなくても、無条件に圧倒的な美しさを誇るホワイトヘブンビーチ。遊覧飛行でアプローチするならば、近隣のハートリーフ(ハート型のサンゴ礁)と合わせて見ることができ、カップルに人気です。

ホワイトヘブンビーチ
アクセス グレートバリアリーフのハミルトン・アイランドがいちばん近いリゾート島。ハミルトン島もしくはメインランドのアーリービーチ発着ツアーに参加を。
おすすめリゾート ハミルトン・アイランド
URL http://www.hamiltonisland.com.au/jp/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2014.06.07(土)
文・撮影=古関千恵子