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 長崎市が“100年に一度の変革期”を迎えているという。JR西九州新幹線の開業をはじめ、大型施設も続々とオープンし、街は変貌を遂げている。そんな長崎の街に最近オープンした、注目の“泊まれる新スポット”を訪れてみた。


◆約1,000億円の投資で誕生「長崎スタジアムシティ」

 まずは、2024年10月にオープンした「長崎スタジアムシティ」。JR長崎駅から歩いて10分ほどの街中心部に誕生した、東京ドーム1.5個分の複合商業施設で、地元企業でありテレビショッピングでおなじみの「ジャパネットグループ」が約1,000億円を投資したという一大プロジェクトだ。

 プロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」のホームスタジアムをメインに、プロバスケットボールの試合や音楽ライブなどのイベントを開催するアリーナ、レストランやショップ約80店、それから温泉にサウナ、ブルワリーも……と紹介しきれないほどさまざまな店舗・施設が入っている。

 特筆すべきは、サッカー観戦しながら泊まれるホテル「STADIUMCITY HOTEL NAGASAKI」だろう。スタジアムビューの客室は広々としたバルコニー付きで、食事や会話を楽しみながらゆったりと試合観戦できる。日帰り利用も可能な温泉とサウナからもスタジアムを一望。またホテル内のいたるところにサッカーやバスケットボールモチーフのインテリアやデザインが見られて、スポーツ好きにはたまらない。

 一方、スタジアムと反対側に面するシティビューの客室からは、山の斜面に家々が建ち並ぶ長崎らしい風景が見渡せて、夜景も美しい。どちらの客室にもスタンダードからスイートまで4つのグレードがあり、スイート宿泊者専用ラウンジでは、豊富なお酒に加えて、シェフやパティシエによる食事やスイーツを一日4回に分けて提供している。

 ちなみに、すべての客室でエアウィーヴの寝具やダイソンのドライヤーなどの高品質なインテリアや家電を採用していて、気に入ったものがあればその場で購入できるというのはジャパネットらしい。ホテル内には、和食やイタリアン、フランチなどの本格レストランに加え、カフェやバーも充実。長崎ならではの食やお酒が楽しめる。

 試合がない日も楽しみ方はいろいろ。スタジアムで夜のレーザーショーやピッチの入場口や選手ロッカーなどをめぐるガイドツアーが行われる。スタジアム上空には、なんとジップラインも設置され、高さ60メートル、長さ243メートルの滑走体験ができるので、勇気のある方はぜひトライを。

 グルメは、佐世保バーガーの「Stamina本舗 Kaya(伽倻)」や長崎ちゃんぽんの「老李」などご当地の人気店の数々が出店し、「ここ来れば長崎グルメは網羅できると思います」とスタッフが話すほど。ブルワリーレストランの「THE STADIUM BREWS NAGASAKI」では、場内で醸造したオリジナルクラフトビールが味わえる。長崎の希少な柑橘ゆうこうを使用したフルーティーな「ヴィ・ビール」が一番人気だそう。

 宿泊でも日帰りでも、そしてイベントでも日常でも。市民の散歩コースから、カップルやファミリーのおでかけスポット、国内外の旅行者の滞在拠点としても、幅広い人々を受け入れる新しいかたちのスタジアムに訪れてみては?

2025.03.08(土)
文=一ノ瀬伸
写真=釜谷洋史