◆4月は、姫路ゆかりの世界的ファッション・デザイナー「髙田賢三展」も
さらに、4月12日(土)からは、およそ3か月にわたって、姫路市出身の世界的ファッションデザイナーである故・髙田賢三さん(1939~2020)の作品展も開催される予定だ。

ファッションブランド・KENZOの創設者である髙田賢三さんは、日本人デザイナーとしていち早くパリに進出し、斬新なアイデアで、ファッション業界の常識を打ち破るスタイルを次々と生み出したデザイナー。
この作品展では、“色彩の魔術師”と呼ばれた髙田賢三の創出したファッションの変遷を衣装展示やデザイン画でたどるとともに、幼少期からのスケッチや長年親しんだ愛蔵品などアイデアの源泉となった資料、髙田賢三を支えた人々との交流を写真やエピソードで紹介し、多角的な視点から、その人物像を浮かび上がらせるという。

2020年に惜しまれつつ他界した、髙田賢三の没後初の大規模個展となる本展は、彼が生涯愛した生まれ故郷の姫路と、学生時代を過ごした東京を巡回。東京展は昨年、東京オペラシティアートギャラリーで盛大に終了。
4月からは、生まれ故郷の姫路で開催される。姫路会場では美術館の所蔵作品20点がさらに加わり、メンズコレクションや後継デザイナーの作品も紹介される。さらには隈研吾事務所の協力のもと、髙田賢三がその情熱を注いだ邸宅の再現も予定されている。日本人デザイナーのパイオニアとして、先駆けて世界で活躍した髙田賢三の81年にわたる創作活動を回顧する。

「旅先で美術館を訪れる機会は、これまであまりなかった」という読者にとっても、姫路市立美術館でゆったりと過ごす時間は、きっと贅沢なひとときとなるはずだ。
【髙田賢三展・姫路展】
会期:2025年4月12日(土)~7月21日(月・祝)
場所:姫路市立美術館 企画展示室
https://www.city.himeji.lg.jp/art/
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美のまち、姫路をめぐる旅
2025.02.27(木)
文=CREA編集部
写真=釜谷洋史