プレゼントや自分へのご褒美に。とっておきの一品。
日本で一番の皮革生産量を誇る、兵庫県姫路市。革の加工・流通の好条件がそろった土地のため、古くから皮革の生産が盛んで、「タンナー」と呼ばれる皮革製造工場が多く集まっています。そのなかでも、馬革を専門に一貫生産し、希少性が高いコードバン製革ができる、世界でも唯一の企業である「新喜皮革」の工場を訪れました。
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軽くて強度があるホースレザーは人気が高く、使うほどに持ち主の手になじんでいきます。革本来の質感をいかしながら、うっとりとするような美しさを引き出すには、熟練の技が必要です。その工程と、生産される製品を紹介します。
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しなやかな「ホースハイド」と、重厚な輝きを放つ「コードバン」
新喜皮革では、馬の胴体部分を使った「ホースハイド」と、お尻の部分を使った「コードバン」を製造しています。
革は食肉加工の副産物であるため、牛革に比べて希少な馬革(ホースレザー)。そのなかでもコードバンは、馬のお尻の部分にしかない繊維組織で、生産には高い技術力が必要です。長い時間をかけて加工され、きめ細やかで重厚な輝きが生まれます。

馬革に加工される原皮は、食肉用の馬から生まれる副産物。1か月半ほどかけて海路でヨーロッパからやってきます。1回の輸送で1000頭から1500頭分。ここから約1年かけて、上質な革製品へと加工されていきます。
それでは、その製造工程を見ていきましょう。
2025.02.22(土)
文=狸山みほたん
写真=釜谷洋史