日本建築の“美の象徴”とも言える、姫路城。そのお膝元には、心身を内面から整え、美しくしてくれるという「発酵食」に触れられるスポットも存在する。

 JR・山陽電鉄の姫路駅から北東へ歩いて15分、姫路城からほど近い場所に、銅板のキューブでできたスタイリッシュな建物がある。その名は、「cohareruya(コハレルヤ)」。

◆栄養満点、独自の「糀スムージー」が人気

 日本の発酵食のベースとも言える、“糀=麹(こうじ)”を使ったスムージーや発酵調味料など、テイクアウトやギフト用の食品を製造・販売するお店だ。

 「cohareruya」の看板商品は、糀スムージー。地元・兵庫県の「播州こうじや」の生米麹とお米を混ぜ合わせ、蓋つきの土瓶でゆっくりと呼吸させながら、発酵させて作っている。

 商品はすべて、姫路市出身の店主・小野亜希子さんの手作り。仕事や家事、子育てなどで忙しい人でも、手軽に栄養補給できる商品づくりをコンセプトにしている。

 およそ100種類以上の酵素をはじめ、ビタミンB群、乳酸菌など栄養が豊富なことから、“飲む点滴”とも言われる「甘酒」の作り方をベースに、そこに季節のフルーツなどをブレンドし、開発した独自の「糀スムージー」が評判だ。

 店主の小野さんが「発酵」がキーワードのお店を始めるきっかけとなったのは、自身の母親からの影響が大きいのだという。

「ぜんぶ“自然食”みたいな母親のもとで育って、その結果、心身ともに丈夫に育ちました。当時、毎日の食卓に出てくるのが、お味噌汁とか、こだわりの調味料とかで、そういったもののルーツをたどっていくと、すべて“麹”が関係していることがわかったんです。

 自分でお仕事を始めるならば、麹を使った“古いけれど、新しいもの”を作りたかった。それがきっかけで、この『cohareruya』を始めることになりました」

2025.02.23(日)
文=CREA編集部
写真=釜谷洋史