◆じつは、発酵王国である「兵庫県」

 京都の伏見と並んで、日本酒の二大銘醸地である“神戸の灘五郷”があったり、酒米の王様である「山田錦」の一大生産地も兵庫県にあったり、味噌・醤油の大手メーカーもあったりと、何かと“発酵文化”とは深いつながりがあるのが、この兵庫県という土地柄でもある。

「やっぱり、ちょっと足を運ぶと、身近に麹屋さんがあったり、播州の酒蔵があったり、この姫路という土地も、“発酵文化”とは切っても切れない関係にある地域なんです。だからこそ、私の母親も、その魅力を生かして育ててくれたし、私もその影響を受けて、“発酵文化”の魅力を、娘や、多くの人たちに伝えていきたいと考えたんだと思います」

 もともとは、美容関係の仕事をしていたという小野さん。しかし、30歳のころ「本当に大切な美しさは、内面から、食生活を変えることから生まれてくると気づいた」と話す。

2025.02.23(日)
文=CREA編集部
写真=釜谷洋史