仙台の奥座敷、秋保温泉。
別所温泉・野沢温泉と並び「日本三御湯」と呼ばれ、渓谷の四季が彩る名湯へ。
渓谷美がもたらす極上の湯浴み

秋保温泉の歴史は古く、なんと古墳時代にまで遡るとか。欽明天皇を始めとするやんごとなき方々を癒し、藩政時代には伊達政宗公や各地の藩主が湯浴みに訪れたという。そんな歴史ある秋保温泉に2024年4月に開業したのが「界 秋保」だ。

客室はすべて、地域の工芸品をちりばめた「紺碧の間」。秋保温泉の景勝地である名取川の峡谷「磊々峡」が、かつて「紺碧の深淵」と表されていたことに由来する。ピクチャーウィンドウに縁取られた窓からは、渓谷の四季がくっきりと浮かび上がり、ひとりの時間にうるおいを与えてくれる。

右:アクティビティ「伊達な宴」では、酒席の心得に触れながら地酒を楽しむ。
敷地内の2本の源泉を引いた大浴場は、別棟の湯小屋に。内湯は、源泉かけ流しの「あつ湯」、心身ともにリラックスできる「ぬる湯」の2つがあり、外には木立に囲まれた石組みの露天風呂。
渓流を間近に感じながら、自然と一体になる感覚を味わえる。

右:宿から車で20分ほどの「秋保大滝」は国の名勝にも指定されている幅6メートル、落差55メートルの直瀑。
また、館内のパブリックスペース「せせらきラウンジ」には、足湯付きのテラスを併設。

右:名取川の渓流に面した「せせらきラウンジ」。「せせらき」とは「せせらぎ」の古語で、「その時々」という意味も。季節の花やふるまいを楽しみつつ思い思いの時間を過ごせる。
客人をもてなすのが好きだったという政宗公にならい、地元のワインや季節のドリンク、仙台駄菓子などがふるまわれ、夜には和洋楽器の生演奏も。
時間に縛られることなく季節を愛で、この地に息づく伊達なひとときをゆっくりと楽しみたい。



界 秋保
所在地 宮城県仙台市太白区秋保町湯元平倉1
電話番号 050-3134-8092(界予約センター)
ひとり料金 1泊2食付き41,000円~
ひとり対応 通年可
●JR仙台駅より車や路線バスで約30分、仙台空港より車で約45分
●お問い合わせ 界予約センター
電話番号 050-3134-8092
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiakiu/

2024.12.27(金)
文=伊藤由起
写真=志水 隆
写真協力=界
CREA Due 2025年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。