擬人化された日本酒たちに振り回される初主演ドラマ

――そして、2025年1月から放送されるドラマ「あらばしり」では、祖父が遺した日本酒店を継ぐ吟役で、連続ドラマ初主演を務められます。

 念願の連ドラ主演なので、お話をいただいたときは嬉しかったですし、とにかく気合いを入れて頑張ろうと思いました。プレッシャーがないことはないですけれど、そこまで深く考えずにやりました。

 クランクインする前に、原作の(橘)ケンチさんが日本酒会を開いてくださって、このドラマに出てくる6種類の日本酒を飲み比べしました。今まで、しっかり日本酒を飲んだことなかったので、そこで初めて日本酒の美味しさや奥深さを知ったうえで、撮影に入ることができました。

 それで吟という役を演じて、擬人化された日本酒たちと毎日のように触れ合うことで、やっぱり日本酒好きになりました。

――そんな藤原さんにとって、日本酒の魅力とは?

 今では仕事終わりに一人でも飲んでいるんですが、最初に6種類を飲んだときに「こんなに日本酒の味や種類って、いろいろあるんだ」と思いました。

 甘くて飲みやすいものもあれば、料理に合う辛口もあるし、温度によって味が変わったり、本当に奥深いんです。6種類の中で、僕のいちばんの好みは「赤武」です。フルーティーな味わいなのですが、甘すぎず、重すぎず、すっきりとした味わいです。

――どんな新しい藤原さんが見られる作品になると思いますか?

 「明日カノ」のホストだけでなく、『HiGH&LOW THE WORST X』でも卑怯な役でしたし(笑)、これまで普通の人を演じることがあまりなかったので、割と素に近い吟に注目してもらえたら嬉しいです。

 そして、最初は振り回されっぱなしの吟と日本酒たちの関係性や絆。それを経て、いろいろな困難や壁を乗り越えて成長する姿を共感しながら見てほしいと思います。

2024.12.27(金)
文=くれい響
写真=末永裕樹