オリーブ畑が延々と続く湖畔の美しい田舎町

 ブルサからさらに足を延ばして、イズニクへ。

 ここは、西側に湖が広がり、丘陵地にはオリーブ畑が延々と続く、風光明媚な田舎町。人口3万4千人の小さな街で、ぶらりと散策するにはちょうどいい規模だ。村は16世紀にタイルの一大生産地となり繁栄、後に主産地が移りその産業は衰退したが、現在も街のいたるところで、色鮮やかなブルーの紋様に出会う。

日常の中に、美しいタイルの紋様が溢れるイズニク。公共の水道にも美しいブルーのタイルが。

 古代ローマ時代に、城壁や寺院などが次々と建設されたイズニク。約1キロメートル四方の城壁に囲まれた街に、古いモスクなどの遺跡が点在している。しかし、この街の一番の魅力は、その長い歴史にそっと寄り添うような、のんびりとした空気。遺跡は2時間もあれば見て回れるので、ときにはカフェで寛いだりして、気ままに散策を楽しむのがいい。

民家の合間にあったカフェ。時がとまったかのような空間が旅情を誘う。

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2014.04.22(火)
文・撮影=芹澤和美