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標高2760mへ続く、天空の散歩道

 尾根を歩き始めた瞬間、雲の切れ間に青い空がのぞき、朝靄のベールに包まれていた南八ヶ岳の輪郭もあらわになってきました。前方にはこれまで見えなかった北八ヶ岳側の山まで登場!

 こうしてずっと遠くに街が、自分と同じ目線にいろんな山のてっぺんが並んでいると、空の上にいるような不思議な感覚になってくる。まるで天空の散歩道を歩いているようです。

 最後にあるごろついた岩場をトラバースしたらゴール。道幅が狭く、切り立ったポイントが一箇所だけあるので、慎重に通過します。

 ついに山頂に到着。視界を遮るものは何もなく、360°の絶景を堪能しよう! という場面で、またしても靄のなかに……。気を取り直して、山頂をゆっくり散策することにします。

2024.10.23(水)
文=平野美紀子
撮影=深野未季
スタイリスト=永田哲也