この記事の連載

 ウェルネスなトリップを提案する本連載では、幅広い知見を生かしてアウトドアカルチャーを提案するレーベル「焚火遊道」の猪野正哉さん、田中行太さんがさまざまな旅の楽しみ方をコーディネート。

 第5弾となる今回は、長野県・八ヶ岳にある山小屋「赤岳鉱泉」に宿泊し、硫黄岳登頂を目指す旅へ。無事に硫黄岳を下山した後は街歩き。茅野にある「発酵パーク」でみそ作りを体験してきました。

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創業100年超の老舗に学び、伝統みそを自らの手で

 創業100年以上を誇る茅野の老舗みそ蔵「丸井伊藤商店」。八ヶ岳から流れる清流と澄んだ空気、湿気の少ない冷涼な風土を生かし、昔ながらの天然蔵仕込みと木桶によって醸される信州みそは味わい深く、多くの人に愛されています。

「発酵パーク」とは、そんな丸井伊藤商店のみそを五感で楽しめる体験型直売所。天然蔵の見学やみそ作り体験、カフェでの食事を通して、発酵の世界に触れることができます。

 みそ作り体験は当日でも申し込みが可能(混雑状況によります)。せっかくなので、みそ作り体験に参加してみることに! みそはどうやって作るのか。体験会ではみその作り方にちょっとしたトリビアを添えながら、スタッフさんが軽快なトークで教えてくれます。

 みその材料は塩と大豆と米麹のみで、作り方はいたってシンプル。

 まず米麹のうえに塩をのせて軽く混ぜたら大豆を加え、ハンバーグをこねるようにまぜあわせる。しっかりまざったら、次は手をグーにして潰していきます。

 しっかり潰したら、適当な大きさに分けて丸い団子にします。そうすることでみそ玉の中の空気が抜けるのだそう。最後はバケツに団子を戻し、再びつぶしながら平らにならしていきます。蓋をして、常温の室内で3〜4ヶ月間待てば完成です。「こんな簡単にみそってできるんですね!」と初のみそ作り体験に驚きの声が。

 ちなみに白みそと赤みその違いは、発酵期間の長さ。発酵期間が3〜4ヶ月と短い場合は白みそになり、さっぱりした味わいに。いっぽう発酵期間半年〜1年と長い場合は赤みそになり、コクが増すとのこと。ふたりのみそがどう仕上がるのか楽しみです。

2024.11.09(土)
文=平野美紀子
撮影=深野未季
スタイリスト=永田哲也