この記事の連載
長野県・硫黄岳の旅<J&N編>
長野県・硫黄岳の旅<赤岳鉱泉へ>
長野県・硫黄岳の旅<赤岳鉱泉ステイ>
長野県・硫黄岳の旅<硫黄岳のピークへ>
長野県・硫黄岳の旅<茅野の街歩き>

ウェルネスなトリップを提案する本連載では、幅広い知見を生かしてアウトドアカルチャーを提案するレーベル「焚火遊道」の猪野正哉さん、田中行太さんがさまざまな旅の楽しみ方をコーディネート。

第5弾となる今回は、連載初の山小屋泊を敢行。長野県・八ヶ岳にある赤岳鉱泉に一泊し、硫黄岳の山頂を目指します。
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》一泊二日旅で重宝した山服&山コスメをご紹介!
朝靄が立ち込める中、幻想的なトレイル歩き

赤岳鉱泉から硫黄岳までのコースタイムは約3時間。樹林帯を登り、「赤岩の頭」と呼ばれる尾根のポイントを通って山頂へと向かいます。

日もまだ昇らぬ早朝に出発。まだ眠りのなかにある静かな森からはつんとした冷たい空気が漂っていて、そこそこ勾配のある坂も気持ちよく登れます。

徐々に辺りが白けてくると、木の隙間から綿菓子のような雲海が左右いっぱいに広がっているのが見える。もう少しすすんだところでは、朝靄がかかった南八ヶ岳のシンボル・大同心も見えてとても幻想的です。


「訪れる季節、時間によって表情がまったく異なるのが山の魅力。刻々と変わり続けるその姿を一瞬でも逃したくないから、山ではついたくさん写真を撮ってしまいます」と西原さん。

樹林帯を1時間半ほど登り終え、周りに生えていた高木が背の低いハイマツの群生に変わると尾根に近づいてきたサイン。視界が一気に開ける赤岩の頭まで、あと少しです。

2024.10.23(水)
文=平野美紀子
撮影=深野未季
スタイリスト=永田哲也