この記事の連載

 鎌倉で旦那さんと暮らしながら、ハワイや沖縄、もちろん東京でも料理の本を作ったり、取材をしたり。料理編集者・赤澤かおりさんは、どんなに忙しくても元気いっぱいなのです。

 忙しい毎日のなかで、ほっとするのはやっぱり、地元・鎌倉に戻って、もしくはおうちで目一杯働いて、お酒を飲む時間。基本的に前々から予約をとるよりも、その日のお腹に聞いて食べたいものと飲みたいものを求めて出かけます。

 ふっと時間が空いたとき、ひとりでふらりと出かけた鎌倉で、女性ひとりでお酒を楽しむなら? 今回は鎌倉ならでは、「海を見ながら!」お酒を楽しめるお店をご紹介します。3回目は愛らしいテラス席で海の風を感じるイタリアンです。


海が見える特等席でふらりひとり飲み

 海を見ながら食事をする、海見えの部屋、全室オーシャンビュー! など、海が見えるという特典はいつの時代も人を魅了します。私も物心ついた幼稚園時代から、そこには執着がありまして、何かにつけ、そこを優先して人生を歩んでまいりました。それにしてもなぜ、人は海が見えることにこんなにも固執するのでしょうね。ある人曰く、そこに癒しがあるから、とのことでした。海は母のような存在という人もいました。母なる大地とは聞いたことがありますが、海は母とは新しい見解。でも、言われてみれば、人は皆生まれる前は羊水の中にいるんですものね。そんな言葉も納得できます。

 さて、前置きが長くなりました。海見えひとり飲み、3回目はイタリアン! 由比ガ浜にオープンして15年という「IL BIRRAIO(イル ビッライオ」 は、若きオーナーシェフがこの海が見える物件に出合い、もうこんな場所はなかなか出てこないだろうと思い、スタートを決断したというところ。

 R134からほんの少しだけ入ったところにあり、カウンターからも、テラスの席からも由比ガ浜海岸と海が望めます。休日の夕暮れどきともなると、どこからともなくやってきた人たちでテラスもカウンターも大賑わい。気づけば、輪に入って乾杯しているという、お店もお客さんたちも陽気な雰囲気がいい感じなのです。

 私は海が見えるテラスで、前菜のみで軽く1杯やってからビーチを散歩して、また舞い戻って本格的に食べるなんてこともたまにしておりますし、友人たちとワイワイやるときはしっかり奥の席で食べて、飲む、を楽しんでいます。

2024.08.08(木)
文=赤澤かおり
写真=榎本麻美