この記事の連載

 鎌倉で旦那さんと暮らしながら、ハワイや沖縄、もちろん東京でも料理の本を作ったり、取材をしたり。料理編集者・赤澤かおりさんは、どんなに忙しくても元気いっぱいなのです。

 忙しい毎日のなかで、ほっとするのはやっぱり、地元・鎌倉に戻って、もしくはおうちで目一杯働いて、お酒を飲む時間。基本的に前々から予約をとるよりも、その日のお腹に聞いて食べたいものと飲みたいものを求めて出かけます。

 ふっと時間が空いたとき、ひとりでふらりと出かけた鎌倉で、女性ひとりでお酒を楽しむなら? 今月は「鎌倉でビールを飲むならココ!」という3軒を教えてもらいました。

 3回目は、連日大混雑の小町通りで落ち着けるお店へ。


人生で一番おいしいピザ、ビールがないと始まらない!

 あくまでも超個人的な見解ではありますが、ビールに合う料理としてイメージするベスト3は、ピザ、餃子、焼肉。これらに限っては特にビールがないと始まらない、と思っているもの。もちろん、それぞれ好みはあると思いますが、私的にはお互いをおいしくする相乗効果大な3つと思っております。

 さて、ビールシリーズの最後を飾るのは、人生で初めてピザのおいしさと、クラフトビールのおいしさを教えてもらったお店「ブルールーム」。実は、今までピザにはそんなに思い入れがありませんでした。長年生きてきて、それほどおいしいピザに出合えてなかったんだと思います。

 それを180度覆してくれたのが、ここのピザ。こんなにおいしいなら毎日食べたい! と、真剣に思ったくらい。私の胃袋をグググとつかんだのです。

 とにかくご主人の伊藤耕太郎さんの作るピザ生地はモチッとしていて、粉の旨みもしっかりあるタイプ。しかも軽やかな食べ心地だから、いくらでも食べられるのがこわいんですが、ついつい、もう1枚、いやもう1枚頼んでおこうかなと思ってしまう。夫と行くと、平均3枚。プラス、おつまみというのがだいたいのペースですが、ひとりのときは、1枚は必ず。あとはおつまみにするか、ピザだけに集中するか、その日の気分で決めています。もちろん、ビールも!

 というわけで、ピザは何を食べてもおいしいんですが、よく注文するのは、「マルゲリータ」と、写真はありませんが「ピザトリチャーナ」。この基本中の基本のマルゲリータからはじめて、おすすめのクラフトビールをグビリ。それから、夫婦揃って好きなピザトリチャーナにいく感じ。ちなみにピザトリチャーナとは、簡単に言ってしまうとアマトリチャーナのピザバージョン。程よい塩気のパンチェッタ、シャキシャキ感と甘みがある玉ねぎ、ジュシーなトマトが織りなす、わが家が愛してやまないピザです。

 あともう1枚となると、平飼いの卵を贅沢にポンとのせた「ピザボナーラ」(これもご想像の通り、カルボナーラのピザ!)か、4種のチーズを使い、焼きたてのとろとろのところにはちみつをとろ〜りとたらしてデザート的にいただく「クアトロフォルマッジ」、というセレクト。店主、耕太郎さんのおすすめは渋く、「マリナーラ」。これもいつも捨てがたい!

2024.07.20(土)
文=赤澤かおり
写真=榎本麻美