この記事の連載

奥様の作るおつまみもビールに合う!

 ここはおつまみもおいしいんです。主に季節の地野菜や果物を使い作られる、奥様の有子さん作のこれがまた美味。それをまずはいくつか頼んで、ビールを飲みながら、今日のピザは何にしようかなと考えるのもいい時間。

 必ずオーダーするのは「人参とオレンジのサラダ」。初夏に登場する、新生姜に豚肉を巻いたおつまみも大好物。あまりにおいしくて思わず作り方をうかがってしまったくらい、でした。

 と、あれやこれやと悩みつつ、その間に、ビールを2~3杯。クラフトビールはいつも5種類ほどあり、そのなかからおすすめを聞いて選ぶことが多いですが、有子さんの長年の統計によると、どうやら私はフルーツ感があるジューシーでほんのり甘みを感じるものが好きらしいです。

季節感のあるクラフトビールを飲み比べ

 クラフトビールといっても、「ブルールーム」のセレクトは、基本的には食事に合う飲みやすいものが中心で、その中で1種類くらいは苦みがあるものをおいているのだそう。

 時期によっても登場するビールが違い、例えば、春には白ビール、冬には黒ビールといった具合。以前いただいたなかで、特に私が好きだったのは、「バーバリックワークス」の柚子を使ったビール。爽快感とジューシーの両方がバランスよくあって、ここ最近では特に好みで、リピート率高し、でした。

 私がピザとビールに開眼した「ブルールーム」は、鎌倉駅から小町通りを鶴岡八幡宮に向かって5分ほど歩いたところにあるヴィンテージビルの2階。この夏でオープンから早12年目を迎えるそうです。

 そんなここで、小町通りの喧騒をよそにビールとピザで過ごすゆるい鎌倉時間は、至福のひとときでもあり、音楽好きの店主がセレクトする南の島を彷彿とさせる音楽と、窓から抜ける気持ちのいい風と、店主が着こなすヴィンテージのアロハシャツに、ご無沙汰気味のハワイを思い出すひとときでもあります。

 だからかな、隠れ家的なここへは東京からの仕事帰り、疲れている日は特に、ついふらふらと足が向いてしまうんですよねー。

ブルールーム

所在地 神奈川県鎌倉市小町2-8-9 秋山ビル2F
電話番号 090-1768-0621
営業時間 17:00~21:30(L.O.) 土・日曜、祝日12:00~13:30(L.O.)、17:00~21:30(L.O.)
定休日 木曜
Instagram @blue_room_kamakura

赤澤かおり(あかざわ・かおり)

料理雑誌の編集部を経て、フリーランスに。料理と旅の編集者として活動。料理本のほか、30年以上通い詰めるハワイについての執筆、単行本編纂も多数。近著に「人生にはいつも料理本があった」(筑摩書房刊)。
Instagram @kaoriakazawa.akalohasunny

← この連載をはじめから読む

2024.07.20(土)
文=赤澤かおり
写真=榎本麻美