◆Wet Tropics of Queensland
クイーンズランドの湿潤熱帯地域
オーストラリアの北東海岸の南北約450キロメートルにわたって広がる熱帯雨林帯。1億3000万年前の白亜紀に形成された世界最古の森の一つとされ、生息する植物の中には原始の姿をとどめているものも多い。
巨大な蝶などの昆虫類やコアラやカンガルーといった有袋動物など希少生物も多く、ここにしかない豊かでユニークな生物多様性を見ることができる。キュランダ、デインツリー国立公園などの観光スポットも人気。
◆K’gari(Fraser Island)
ガリ(フレーザー島)
オーストラリアの東海岸沿いに位置し、アボリジナルピープルの言葉で楽園を意味する「ガリ」という名でも知られる世界最大の砂の島、フレーザー島。
砂丘の上には熱帯雨林が生い茂り川や湖が点在するという世界でも珍しい地形となっており、内陸部には鬱蒼たる森と水晶のように輝く淡水湖、海岸には真っ白な砂浜と青く澄み切った海という絶景が待つ。8月頃から10月頃にかけてはホエール・ウォッチングを楽しむこともできる。
◆Greater Blue Mountains Area
グレーター・ブルー・マウンテンズ地域
90種以上のユーカリと110種以上の固有植物を中心とした深い森、起伏に富んだ渓谷や滝、アボリジナルの伝説が残る巨岩「スリー・シスターズ」などが手つかずのまま保護されているグレーター・ブルー・マウンテンズ地域。
ユーカリの油分が気化して光に反射すると、山々が青く輝く霧に覆われたように見えることからその名がある。玄関口となるカトゥーンバまでシドニーから車で2時間弱と日帰りで楽しめる距離にあるのも魅力。
◆Willandra Lakes Region
ウィランドラ湖群地域
ニュー・サウス・ウェールズ州南西部の半乾燥地帯に広がる太古の湖水地域の跡。三日月形の砂丘が長く続くため、万里の長城(Walls of China)の別名を持つ。
約1万8000年前に干上がったというウィランドラ湖にはアフリカ以外でヒトが生活していた最古の形跡が残されており、4~6万年前のヒトの居住跡が発見されている。敷地内の3万ヘクタールがマンゴ国立公園として開放されており、キャンプ・サイトも備えている。
2024.04.15(月)
文=張替裕子
写真=志水 隆、橋本 篤
協力=オーストラリア政府観光局