◆Royal Exhibition Building and Carlton Gardens
王立展示館とカールトン庭園
「ガーデンシティ」と呼ばれるほど公園が多いメルボルンでも世界最大級の広さを誇るカールトン庭園。
1839年に後のビクトリア植民地初代副総督が公園用地として整備し、1880年のメルボルン万博の際、敷地内にヨーロッパ風建築の王立展示館が建設された。展示館の中央には大聖堂状のドームが備えられている。
◆Budj Bim Cultural Landscape
バジ・ビム文化的景観
バジ・ビム文化的景観は、ビクトリア州南西部の先住民のグンディッジマラが水路や堰、ダムなどを築くことでウナギの捕獲や貯蔵を行ってきたという歴史や文化の価値が認められた世界遺産。
6600年前に彼らが開発した100平方キロメートルにわたるウナギの水産養殖場は世界最古の養殖システムとされ、その方法は現在でもグンディッジマラの人々だけに口伝で継承されている。玄武岩の住居や水産養殖場はガイド付きツアーで見学可能。
◆Tasmanian Wilderness
タスマニア原生地域
水も空気も地球上で最もピュアな場所とされるタスマニア島。その面積のほぼ4分の1を占めるタスマニア原生地域は、オーストラリア最大の自然保護区の一つで、樹齢2000年を超える巨木や高さ90メートルのユーカリなどの大自然が残る世界最大級の温帯原生地域。
約4万年前からタスマニア・アボリジナル・ピープルが暮らしてきた文化的に貴重なエリアでもあり、内陸部では氷河期時代の岩絵も発見されている。
◆Australian Convict Sites
オーストラリア囚人遺跡群
タスマニア州、ニュー・サウス・ウェールズ州、ノーフォーク島など11カ所に点在する囚人遺跡群は、かつて大英帝国が占領下のオーストラリアに流刑地を置いたという歴史を伝える貴重な遺産。
犯罪受刑者だけでなく、懲罰として女性や子どもを含む何万人もの人々がオーストラリアに送られ、植民地化のための強制労働に従事させられた。ポート・アーサーの遺跡では夜間のゴーストツアーなども行われている。
◆Macquarie Island
マッコーリー島
オーストラリア大陸と南極のほぼ中間にある絶海の無人島。インドプレートと太平洋プレートがぶつかり海底が隆起して生まれた島で、海底6キロメートルの深さにあるマントルが海面上に露出している地上で唯一の場所でもある。
険しい崖と吹き荒ぶ風という厳しい環境だが、野生動物にとっては楽園。島の固有種ロイヤルペンギンをはじめ、何百万羽のペンギンや8万頭ものゾウアザラシの重要な繁殖地になっている。
2024.04.15(月)
文=張替裕子
写真=志水 隆、橋本 篤
協力=オーストラリア政府観光局