#295 Hakodate Port
函館港

 これまで“旅といえば、海!”な私でしたが、人生初のスキーに挑戦してみようと一念発起。やっぱりパウダースノーでしょう、と北海道へ行ってみることに。とはいえ、やっぱり海が好き。そこで函館港を擁する函館を中心に旅してみました。

 函館は北海道の南西部、渡島(おしま)半島の南端にある、津軽海峡に面した北海道第三の都市です。

 室町時代の初期から関西方面との商船が行き来し、北海道の玄関口であった彼の地。当時、ウスケシ(アイヌの言葉で“入り江の端”の意味)と呼ばれていた漁村に、津軽の豪族・河野政通が建てた屋敷が箱に似ていたことから、「箱館」と呼ばれるようになったそうです。

 そして、大きな転機となったのが1854(嘉永7)年。日米修好条約が結ばれ、下田とともに開港。さらに1859(安政6)年には箱館・横浜・長崎において、日本ではじめて海外との貿易がはじまり、外国にも門戸が開かれました。

 これを機に箱館には西洋文化が一気に流入。今でも異国情緒が香るレトロな建物群と、玄関口としての港、活気あふれる漁港、それらの風情が渾然一体となって函館の街を形作っています。

2024.03.09(土)
文・撮影=古関千恵子