時代の幕開けを彩る「日本三大夜景」も
歴史を振り返る時、この地には「箱館」と「函館」、2つの書き方があることにふと気づきます。
これは、1869(明治2)年に蝦夷地を北海道と改めた際に、「函館」に変更されたそう(諸説あり)。変更の理由は、当時の北海道開拓使の長官が「箱」の文字が気に入らなかったからとか⁉ しばらく「箱」と「函」は混在していたようです。
函館といえば、「日本三大夜景」のひとつである函館山から見下ろす函館港と街の夜景が有名です(世界三大夜景に名を連ねていたことも!)。
この「日本三大夜景」には他に、神戸の摩耶山、長崎の稲佐山がありますが、どこも日米修好通商条約によって開港した港町を見下ろすロケーション。誰がこの3カ所を選んだのかは定かではないそうですが、新しい時代の幕開けとともに灯された街の明かりが人々の目によりきらびやかに映ったのかもしれません。
さて、函館を探訪しようと思った時、コースのアイデアをくれたのが、函館空港内の観光案内所のスタッフ。おりしも映画『ゴールデンカムイ』が封切られ、コミックの愛読者としては、聖地巡礼に興味津々。作中で舞台となっている場所を観光スポットと併せて回ってみることにしました(ややネタバレあり)。
2024.03.09(土)
文・撮影=古関千恵子