みたらしとあんこの2種が楽しめる小粒のだんご

 また、物語に登場する食べ物は、どんなものなのか、実際に食べてみたくなるもの。鯉登少尉が鶴見中尉に差し入れする、大沼公園駅の名物“大沼だんご”を求めて、JR函館本線に乗って大沼公園駅まで足を延ばしてみました。

 「沼の家」は明治38(1905)年創業、五代続く老舗和菓子店。お目当ての大沼だんご(しょうゆ/あんこ)は、みたらしとあんこの2種が楽しめる小粒のだんごで、ユニークなことに折り箱に入っています。これは大沼公園駅が開業した当時、駅弁スタイルで販売したのがきっかけで、今もそのスタイルを踏襲しているそうです。

 毎日米を挽いて、その日の気温や湿度によって蒸し方を変えて作る大沼だんご。やわらかくて、だんごのサイズもちょうどよく、甘さ控えめのあんこと絶妙なみたらしに、あっという間にペロリ、です。

 大沼だんごを求めて沼の家を訪れる『ゴールデンカムイ』のファンは多いそうで、鯉登少尉に扮した子供や牛山のコスプレーヤーもやってきたとか。その場に居合わせたかった……。

 とここまで紹介してきましたが、実は映画の『ゴールデンカムイ』は、これから始まる冒険譚のいわば序章といった感じ。クライマックスの函館はちらりとも出てきません……。はたして、続編は何作まで、何年間、続くのか? 気が遠くなりそうですが、楽しみは続きます。

函館港

●アクセス 函館駅からバスやタクシーで約7分、路面電車なら約10分(元町)

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●オフィシャルサイト https://www.chieko-koseki.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2024.03.09(土)
文・撮影=古関千恵子