世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第21回は、小野アムスデン道子さんがキュレーター気分を味わった、とある場所での体験をご報告。

植民地時代の雰囲気が香るネオクラシックなビルの中に……

 コンテンポラリー・アートの世界に影響をもたらすほどの有名ギャラリーで見るアートからは、それぞれに個性的な世界観が迫ってくる。例えば、ニューヨークのガゴシアンやロンドンのホワイト・キューブ、上海のパール・ラム、パリのペロタンなどがそう。そんな世界の名だたるギャラリーを1日で一気に見て回ることができる場所がある。

ここはパリ? いや違う……? ギャラリー・ペロタンにて。村上隆とザヴィエ・ヴェイヤンの作品展。

 それは、香港のセントラルだ。ここには有名ギャラリーの支店が多数ある。まず、NYのガゴシアン・ギャラリーと 上海のパール・ラム・ギャラリーズは、共に1924年に建てられたぺダービル内のフロアー違い。ペダービル自体も香港の植民地時代の雰囲気が香るネオクラシックなビルで、香港政府の歴史的建造物にも指定されている。そんなビルのエレベーターを降りると、突如広がるコンテンポラリー・アートの世界は刺激的。ここで、NYから一気に上海に飛ぶキュレーター気分でアートを鑑賞できる。

エレベーターを降りるとすぐ、パール・ラム・ギャラリーズの入り口、中は結構広い。朱金石の作品。
こちらはガゴシアン・ギャラリー。邱志杰の「鳥瞰」という作品。

Gagosian Gallery Hong Kong  (ガゴシアン・ギャラリー 香港)
所在地 7F Pedder Building, 12 Pedder Street, Central, Hong Kong
電話番号 +852-2151-0555
URL  http://www.gagosian.com/

Pearl Lam Galleries Hong Kong (パール・ラム・ギャラリーズ 香港)
所在地 6F Pedder Building, 12 Pedder Street, Central, Hong Kong
電話番号 +852-2522-1428
URL  http://www.pearllam.com/city/hong-kong/

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2014.02.18(火)
文・撮影=小野アムスデン道子